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お薦めシネマ
ベニシアさんの四季の庭
2013年 8月
- 監督:菅原和彦
- 音楽: 川上ミネ
- 出演:ベニシア・スタンリースミス、梶山 正、梶山悠仁、
蜂巣ジュリー、蜂巣浄、蜂巣主慈 - 配給:テレコムスタッフ
2013年 日本映画 98分
「庭にいるときが、一番幸せ。風と太陽を感じながら……。天国にいるみたい。」こう語るのは、京都・大原の静かで豊かな里山に住む、イギリス人のベニシア・スタンリースミスさん。築100年ほどの古民家を買い入れ、自ら手を入れて住んでいる。たくさんの花が咲く広い庭も、少しずつ種類を増やしていった。夫は、山岳写真家の梶山正さん。
ベニシアさんが大好きなハーブは、庭に150種類ほどが植わっている。シャンプーに入れたり、お茶にしたり、家具を磨くためのビーズワックスに入れたり。ラベンダーで作ったビーズワックスで磨くと防虫効果があり、家の中にいい香りが漂います。
1950年、ベニシアさんはイギリスの貴族の家に生れました。家族の過ごし方や、貴族社会のあり方に疑問を感じ、イギリスを離れ、シルクロードへの旅に出ました。インドで出会った若い師から、ゆっくり生き呼吸することを学び、その後日本へ向かいました。鹿児島から東京へ。出会ったイギリスの友人から、京都に住むことを勧められ、京都へ。街中で英語学校を始めながら、京都の魅力に引き込まれていきます。そして大原の土地と出会い、小さいころの夢だった「庭のハーブの手入れをしながら、田舎で過ごすこと」を実現します。
(C) ベニシア四季の庭製作委員会
映画では、大原の家の季節の移ろいと、その中で四季の生活のイベントを手作りで準備するベネシアさんの生活を映しながら、結婚、出産、離婚、梶山さんとの結婚、娘の未婚での出産と病気という波乱に満ちた人生を追っていきます。
モンペを愛し、日本の風習とイギリスの家庭の知恵を融合し、大原の地を愛し、人との出会を大切に生きているベニシアさんの生き方は、人々の心を和ませてくれます。
終わりかけたバラの花を摘み、この花びらと塩をビンに漬けていきます。伝統的なイギリスのやり方です。夏になると、うちわを出し、軒下に風鈴を下げます。イギリスの知恵と、日本の知恵が、ベニシアさんの中で融合し、スローライフを形成していきます。
幾度となく苦しみを味わったベニシアさんは、「大切なのは、何が起きたかではなく、どう対処したかである」と言います。今は、前夫との間にできた娘のジュリーと孫の浄、夫・正、正との間に生まれた悠仁で食卓を囲む穏やかな生活です。そこへ、久しぶりに帰国した、ジュリーの弟・主慈が加わりました。
(C) ベニシア四季の庭製作委員会
見ていて幸せになる作品です。ベニシアさんの生活は、日曜日の朝、NHK・Eテレでも放送されています。テレビと合わせて、ご覧ください。