お薦めシネマ
ベイマックス
2014年12月
- 監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
- 脚本:ロバート・L・ベアード、ダニエル・ガーソン
- 音楽:ヘンリー・ジャックマン
- 声の出演:菅野美穂、小泉孝太郎、川島得愛、
本城雄太郎、Pepper - 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2013年 ポーランド映画 1時間47分
超高齢社会に向けて、ロボットの活躍が求められています。高齢者の生活を助ける介護用ロボット、一人暮らしの高齢者の話し相手となる会話をするロボット、障がいを持っている人を支援するロボットなど、人とともに生活するロボットの開発が進んでいます。ディズニーが、今年大ヒットした「アナと雪の女王」の次作として製作したのは、愛にあふれるロボットのお話です。舞台は、サンフランシスコと東京をイメージした大都市「サンフランソウキョウ」です。
物語
3歳のときに両親を亡くしたヒロ(本城雄太郎)は、兄のタダシ(小泉孝太郎)とともに、叔母のキャス(菅野美穂)の家で暮らしていた。14歳のヒロはロボット作りに夢中になっていた。いつか、アンダーグラウンドのロボット・ファイト界を席巻したいと思っていた。工科大学で学ぶタダシは、ヒロのしていることは才能の無駄遣いだと言い、彼を大学につれていった。
(C) 2014 Disney. All Rights Reserved.
研究室には、いろいろな研究しているタダシの風変わりな仲間たちがいた。フレッド、ゴー・ゴー、ワサビ、ハニー・レモン。タダシは、ケアロボットの研究をしていた。5人の指導教授のキャラハン教授をうならせる研究をしたら、飛び級で大学に入ることができると告げられたヒロは、大学で学ぶために、研究に打ち込んだ。
(C) 2014 Disney. All Rights Reserved.
いよいよ、大学の研究発表会の日がやってきた。ヒロが発明したのは、ミニサイズのマイクロボットだった。無数のマイクロボットが集まると、神経トランスミッターをとおしてものすごい力を発揮するものだった。ヒロの発明は教授だけでなく、ハイテク企業の社長をも驚かせた。ヒロは入学を許可され、兄弟は喜んだ。
しかし、その幸せなときもつかの間、研究発表の会場で火災が起こり猛火となった。会場の中にキャラハン教授がいることを知ったタダシは、彼を助けるために炎の中へと向かう。その直後、猛烈な爆発が起きる。
いつも自分を守ってくれたタダシを失い、ヒロは心を閉ざして家にこもる日々だった。あるとき、足をぶつけたヒロが「痛い!」と叫ぶと、隣のタダシの部屋にあったケアロボットが箱から出てきた。真っ白いふわふわとしたゴムのような身体で、ヒロの前に現れ語りかけた。「わたしはベイマックス。あなたを守ります」。それはヒロが研究していた人々の身体と心を守るケア・ロボットだった。ヒロを守ることだけを使命とするベイマックスは、ある日外に出て、手に持ったマイクロボットに導かれて巨大倉庫にたどりつく。そこでヒロが目にしたのは、大量のマイクロボットの山だった。しかし、それらは次々と姿を変え、モンスターと化して二人に覆いかぶさってきた。
(C) 2014 Disney. All Rights Reserved.
「人を守る」というプログラムを組み込まれたベイマックスは、どこまでも人の命を守ろうとします。そこに現れる悪の力。仲間と共に、戦いながら、タダシの死の真相を突き止めていくヒロは、やがてタダシがベイマックスに託した思いを知っていきます。他者のために、自分のすべてを差し出すことができるという愛の真理を、ヒロはベイマックスといることをとおして学んでいきます。
愛と友情の物語、冒険映画、細部に表現された日本の街など、いろいろな視点から見ていくことができる興味深い作品です。また、ソフトバンクが製作したロボット「Pepper」が、たった一言ですが、声優として登場しています。