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地球交響曲 第八番

2015年 3月

 地球交響曲 第八番

  • 監督・脚本:龍村仁
  • 出演:梅若六郎玄祥、見市泰男、柿坂神酒之祐、
    中澤宗幸、中澤きみ子、畠山重篤、畠山信
  • 声の出演:榎木孝明、木内みどり
  • 企画製作・配給:龍村仁事務所
  • 配給協力:太秦

2015年 日本映画 1時間55分



「地球交響曲 ガイヤシンフォニー」は、第一番から、自主上映で日本中の人々に「地球はそれ自体がひとつの生命体である」という考えを伝えてきました。第八番となる今回も、美しい映像、選び抜かれた音楽とことば、榎木孝明氏と木内みどりさんの心落ち着く語りで、環境問題や精神世界に入っていきます。

第八番で取り上げるのは「樹」です。3つの物語があります。

「樹の精霊に出会う」
能面「阿古父尉(あこぶじょう)」にまつわるお話です。奈良県吉野の山深くにる天河神社に納められている能面「阿古父尉」が、600年の間、よみがえる日を待ちながら眠っていました。この能面にまつわるお話を、国立能楽堂の創立30周年を迎える記念行事として奉納される新作能で使いたいと、能面を保存する天河神社の宮司に申し出ました。しかし、3.11の後に襲った紀伊半島大豪雨災害で、天河神社の多くが土石流に埋まってしまいました。日本を襲った災害、大自然の営みを乗り越え、「わたしたち日本人が真の復活を遂げるために、魂の甦りが必要だ」と考え、「阿古父尉」の復活がはじまりました。能面を作るために選ばれた大樹、能面打ちの見市泰男氏、演者の梅若玄洋氏、天河神社の柿坂宮司をとおして、能面復活の意味を探っていきます。

 地球交響曲 第八番


「樹の精霊の声を聴く」
名器として人々の心をとらえるヴァイオリン「ストラディヴァリウス」。300年たった今も、使い続けられています。東京に住むヴァイオリン製作者の中澤宗幸氏のもとには、「ストラディヴァリウス」を所有する名演奏家たちが、修復や調整を依頼しにやってきます。「ストラディヴァリウス」は、単なる楽器ではありません。魂を宿した有機体、すなわち生き物です」という中澤氏は、3.11の津波に襲われて残った陸前高田の「奇跡の一本松」や、津波で破壊された住宅の木材から震災ヴァイオリンとヴィオラを作り、連続コンサートを続けています。打ち上げられた木材を、瓦礫としてではなく、その家に住む人々とともに生きて来た記憶を持っている木として接する中澤氏と、ヴァイオリニストの妻・中澤きみ子さんを追います。

 地球交響曲 第八番


「心に樹を植える」
気仙沼でカキ養殖をしている畠山重篤氏は、25年前、気仙沼の海が汚れてきたとき、原因は海に流れてくる川の源流にある森が荒れているからだと気づき、植林運動を行って青い海を取り戻した経験があります。3.11の津波によって、カキは全滅しました。母親と海の生き物を失った畠山さんは、絶望の中で「天国と地獄が共存するのが海。自然とはそういうものだ」と言います。人の力を超えた森と川と海の絆を感じてきた畠山さんと、跡を継ぐ息子の信さんを追います。

 地球交響曲 第八番


 

大自然の大きな動き、その中で生きる人間の営みを映しながら、「地球交響曲 ガイヤシンフォニー」は、大きな視野で、地球・自然・人間を見ることを教えてくれます。


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