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筑波海軍航空隊
2015年 7月
- 監督:若月治
- ナレーション:原日出子
- 音楽:西井夕紀子
- 出演:木名瀬信也、柳井和臣、橋本義雄、流政之
- 配給:パルコ
2015年 日本映画 1時間34分
厳しい戦況の中、1943年、学徒出陣の学生の多くが海軍に入隊しました。現在の笠間市に、飛行の際に目印となった筑波山の名をいただいた「筑波海軍航空隊」がありました。兵士の数が足りなくなる中、海軍飛行予備学生たちは何の準備もないまま飛行機に乗るようになりました。それまで4年かかって教育していたことを、わずか4か月でマスターしなければならない状態になっていました。ガソリンも少なくなり、訓練を短くせざるを得ない状況になっていきます。予備学生たち120の中から、77名が神風特別攻撃隊として出撃しました。
「特攻隊になった以上は覚悟は決めていたから、『生』の選択はないから。死と生の選択のある人は悩んだと思う。」
「今でもそのつらい思いから解放されることはない。生きる術がないので、非常に悲しい。学生たちは作り笑いをして、戦線に出て行った。」
爆弾を抱えた攻撃機に乗り、敵艦に機体ごと突撃する使命を与えられた若者たちは、その後、どんな運命をたどったのでしょうか。死に向かう道を、どのように受け入れていったのか。仲間が死んでいく中で生き残った者は、何を思って戦後を過ごしてきたのか。彼らの日記、指導教官、特攻隊員、隊員の家族の証言などをとおして、死を強いられた若者たちの青春の日々を追っていきます。
(C) 2015 プロジェクト茨城
(C) 2015 プロジェクト茨城
どのような平和の道を歩んでいくのか揺れている今の日本において、筑波海軍航空隊の置かれた状況を見ていくことにより、戦争へと突き進んでいった無謀な日本の姿が見えてきます。今の日本の中で、どのように平和の道を選ぶのかを考えるための貴重な資料となるでしょう。