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お薦めシネマ
ベトナムの風に吹かれて
2015年 9月
- 監督脚本:大森一樹
- 脚本:北里宇一郎
- 原作:小松みゆき
- 音楽:かしぶち哲郎
- 出演:松坂慶子、草村礼子、柄本明
- 配給:アルゴ・ピクチャーズ
2015年 日本・ベトナム映画 1時間54分
植民地、南北の分裂、悲惨なベトナム戦争と、辛い時代をすごしてきたベトナム。日本にも多くのベトナムの方々が住み、教会でもベトナム語のミサが行われています。どこか戦前の日本人の体型に似ているようで、親近感を覚えます。そんなベトナムとの合作ができ上がりました。
物語
ベトナムのハノイで、日本語を教えているみさお(松坂慶子)は、父の訃報を受け、新潟の実家に帰ってきた。久しぶりに会った母(草村礼子)は、認知症を患っていた。兄(柄本明)夫婦が世話をしていたが、後妻にはいった母は兄たちと血のつながりはなく、母の世話をするのは、実の子である自分の役目であると考えた。みさおは、母を引き取ってベトナムに連れていこうと決心し兄夫妻に伝えるが、認知症の人の世話は大変でひとりでできるものではないと反対を受ける。しかしみさおは、母の手を取りベトナム行きの飛行機に乗った。
(C)「ベトナムの風に吹かれて」製作委員会
新潟から出たことのない母は、最初は緊張していたが、みさおの住むアパートのオーナーである食堂の人々、食堂に集まってくる客たち、みさおのオートバイを置いてくれる元映画館の管理人など近所の人々に迎えられ、言葉は通じなくでも、彼らと親しくなり、笑顔になっていく。
(C)「ベトナムの風に吹かれて」製作委員会
しかし、母の病状は次第に悪くなり、便所、便所と繰り返し夜も起こされ続けるようになり、みさおは次第にいらだつようになった。
そんな中、ベトナムにかつて愛した女性を残して帰国したという日本兵を祖父に持つ女学生が、祖父の代わりにその女性を探すため、ベトナムに住むみさおを頼ってベトナムにやってきた。女学生に同伴してそのベトナム女性を尋ねるみさおは、母も一緒に連れていくことにした。
6年ぶりの主演映画となった松坂慶子が、とても新鮮です。見終わった後で、こちらの顔もニコニコとなり、心がウキウキしていることを感じました。映画の中に登場していた人々の間にわたしもいて、ベトナムのあの街に住んでいるような感じで、映画の中に入り込んでいました。どうしてかと考えていると、松坂慶子の、あの明るさ、優しさ、親しみやすさ、かわいらしさが影響しているように思えてきました。人と人とのふれあいは、相手を大切な人として受け入れると、愛情深いものなるということを、しみじみと感じた作品です。