お薦めシネマ
夏美のホタル
2016年 6月
- 原作: 森沢明夫『夏美のホタル』
- 監督: 廣木隆一
- 脚本: 片岡翔、 港岳彦
- 音楽: 石橋英子
- 主題歌:Uru
- 出演:有村架純、工藤阿須加、光石研、吉行和子、小林薫
- 配給:イオンエンターテイメント
22015年 イギリス映画 1時間37分
夢に向かって歩いている女性が、夢と恋人を前にして悩み、人々との出会いをとおして、再び道を歩み始めるまでの思いを描いた作品です。いったん立ち止まり、「時」を過ごすことが、彼女のその後の人生を豊かにしていくことでしょう。
物語
写真家を目指して学んでいた夏美(有村架純)は、写真で賞を取った仲間を祝いながら、卒業した後の道で迷っていた。また、恋人の慎吾(工藤阿須加)との関係も、どうしようかと悩んでいた。ある日、夏美は父が遺してくれたバイクに乗り、ある森へと向かった。そこは、小さいころ、父と一緒にホタルを見た場所だった。
(C) 2016「夏美のホタル」製作委員会
食料を求めていた夏美は、バイクを止めて小さな店に入った。そこはさびれた店で、地蔵さんと呼ばれている恵三(光石研)とその母親のヤスばあさん(吉行和子)が住んでいた。行く当てもなかった夏美は、ふたりに頼み、その家に泊まりながら写真を撮ることにした。足の不自由な地蔵さんと、年老いたヤスばあさん、貧しいが助け合って生きるふたりのやさしさに触れ、また、近所の子どもたちと自然の中で遊びながら、父の人生を思い、自分を見つめ直すときを過ごしていた。地蔵さんの友人である、仏師の雲月(小林薫)と出会い、彼の言動に腹を立てながらも、その生き方が気になっていた。
(C) 2016「夏美のホタル」製作委員会
ある日、ヤスばあさんの悲鳴が聞こえた。行ってみると、地蔵さんが倒れていた。夏美は、地蔵さんに、別れた息子がいることを知る。
人生には、節目といえるときがいくつかあります。夏美のように、時を止めて過ごすことも必要かもしれません。自分の人生に、しっかりと足跡をつけていくために。人と人とのふれあいが人をいやしてくれる、人と人の距離感を考えた作品でした。