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お薦めシネマ
シーモアさんと、大人のための人生入門
2016年10月
SEYMOUR: AN INTRODUCTION
- 監督:イーサン・ホーク
- 出演:シーモア・バーンスタイン、マイケル・キンメルマン、
アンドリュー・ハーヴェイ、ジョセフ・スミス、
キンボール・ギャラハー - 配給:アップリンク
2014年 アメリカ映画 1時間21分
「教師が生徒にできることは、あらゆる場面で感情を引き出すこと。それは音楽だけでなく、人生において。」 これは、50都市でピアニストとしてコンサートをすることから身を引き、若い人を育てるために「教える」道を選んだシーモア・バーンスタインの言葉である。人生の半ばで、アーティストとして、また人間として行き詰まりを感じていたイーサン・ホーク監督は、ピアノ教師のシーモアに出会い、安心感に包まれ、彼のピアノにいやされた体験から、彼のドキュメンタリーを撮ろうと思った。
(C) 2015 Risk Love LLC
その風貌からも、シーモア氏の穏やかな人柄がわかります。若い人々に教えるときも、多くを語らず、その人にあった指示をやさしい言葉で出し、その人が持っているよさが出る演奏を導く。
映画は、若い人々がシーモアから受けるレッスンの様子と、著名人のシーモアとの対話や人柄についての語りで構成されている。登場するのは、作家・コラムニスト・ピアニストであるマイケル・キンメルマン。彼は、シーモアの教え子であり友人である。アンドリュー・ハーヴェイは、作家である宗教学者である。彼とは、神や宗教について語る。ニューヨークを中心にして、欧米で活躍する市川純子さんも、シーモアの教えを受けている。
(C) 2015 Risk Love LLC
若いころ、コンサートのステージで、暗譜が抜けるのではないかという恐怖に苦しんだシーモアは、これが最後になるというコンサートを開いた。理解者や教え子たちが集まった。彼がベートーヴェンの「月光」を弾き始めると、多くの人が涙を流した。
イーサン・ホーク監督のインタビューでは、シーモアの心の中に迫っていく。目の前にいる人をリラックスさせ、なぜか、心の中にあることを語らせてしまうシーモア。ああ、こういう人いいな……と感じ、心が穏やかになる。こんな大人になりたいなと思う。シーモアの人柄に触れながら、映画を見る人にゆったりとして穏やかさを与えるシーモア・バーンスタイン。彼から、生き方の秘訣を教わりたい。多くの人に、シーモアに触れて欲しいと思う。
(C) 2015 Risk Love LLC