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お薦めシネマ
パウロ ~愛と赦しの物語~
2018年11月
PAUL, APOSTLE OF CHRIST
- 監督・脚本:アンドリュー・ハイアット
- 衣装デザイン:ルチアーノ・カポッツィ
- 音楽:ヤン・A・P・カチュマレク
- 出演:ジム・カヴィーゼル、ジェームズ・フォークナー、オリヴィエ・マルティネス、ジョアンヌ・ウォーリー、ジョン・リンチ
- 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2018年 アメリカ映画 108分
カトリック中央協議会広報推薦
「聖パウロが映画になる」という話を聞いて、聖パウロをどのように描くのだろう、回心の場面はどうするのだろうか、などと想像していたのですが、映画「パウロ~愛と赦しの物語~」は、全く違うものでした。ルカを中心に、パウロだけでなく初代教会の信徒の様子が描かれていました。苦悩するルカを演じるのは、映画「パッション」でイエスを演じたジム・カヴィーゼルです。
物語
紀元67年のローマ。皇帝ネロは、ローマの街を焼き尽くした大火が、キリスト教徒によるものだとし、その首謀者としてパウロ(ジェームズ・フォークナー)を捕らえ牢に入れた。また、信徒を捕まえて柱につなぎ、その身体に火をつけて道の街灯にするという、恐ろしい命令を下していた。
ローマの信徒たちは、アキラ(ジョン・リンチ)とプリスカ(ジョアンヌ・ウォーリー)を頼って集まり息を潜めて暮らしていたが、激しい迫害に信仰を捨てる者もいた。パウロの牢を訪れた医者ルカ(ジム・カヴィーゼル)は、神への信頼を信徒に伝えるために、自分の信仰の基となったイエスとの出会いを語るパウロのことばを書き記していた。
信徒たちの中には次第に分裂が起きていた。ネロに抵抗しローマ軍にいどもうと剣を取る血気盛んな人々、ローマの街から逃げていこうとする人々、迫害が終わることを願ってこのままローマに残ろうとする人々。
ある日、勇気を持って使者としてローマの街に出て行った少年が襲われる事件が起きる。迫害に震えるよう信徒たちを力づけてきたプリスカだが、大勢の信徒が隠れて暮らすことが難しくなっていることを感じていた。
そんな中、パウロが捕らえられている獄の長官の娘が危篤となった。娘を治療することになったルカは、治療の道具をアキラに持ってきて欲しいと使いを送る。その役を託されたのは、長官だった。果たして長官は迫害してきた人々の中に単身で行くことができるのか。また、信徒たちは長官のことばを信じることができるのか。
聖パウロの手紙が、このような状況の中で、ルカによって筆記されているとは思いませんでした。聖パウロのことばは、映画の中で生きたものとして語られています。愛とは、真理とは、信じるとは……。極限の中で生きる人々に、敵であっても人を信じることができるのか、愛することができるのかと、究極の問いに対する答えが聖パウロの口から語られていきます。
この映画を観ることにより、聖書のことばが近くなりました。ぜひ、ご覧ください。
- 11月3日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷(東京)、ムービル(神奈川)、名演小劇場(名古屋)、シネ・リーブル梅田(大阪)、シネ・リーブル神戸(兵庫)、ディノスシネマズ札幌劇場(北海道)、仙台チネ・ラヴィータ(宮城)、中州大洋(福岡)、シネマパレット(沖縄)にて公開!