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お百姓さんになりたい

2019年8月

 

 お百姓さんになりたい

  • 監督・撮影・編集:原村政樹
  • 語り:小林綾子
  • 音楽:鈴木光男
  • 出演:明石誠一
  • 配給:きろくびと

2019年 日本映画 104分


埼玉県三芳町に、2.8ヘクタールの畑を持つ「明石農園」がある。この農園を運営するのは明石誠一さん。もともとの農家ではなく、28歳のときに東京から移住し、畑仕事を始めた。有機農法から入り、10年前からは自然栽培を行っている。明石農園には、さまざまな職に携わってきた若い人々が集まり、明石さんと一緒に畑を耕している。研修後には、農家として独立する人もいる。彼らが作っているのは60種類もの野菜だ。

農業をテーマにした映像を撮り続けている原村監督は、明石農園を夏野菜の収穫時期からの一年間をカメラに収めた。

 お百姓さんになりたい
原村政樹監督


広い農地に、きれいに区画割りされて種が蒔かれていく。しかし大変なのは、種を蒔くまでの土地を作ること。化学肥料に頼らず“自然”と向き合っていくのは大変なことだ。たくさんの失敗をしながら、よりよい栽培のために工夫を繰り返している。それは農作業のことだけでなく、効率を重視するのではなく、手間と時間はかかるがいのちを大切にする価値観の問題でもある。生き方の選択だ。

 お百姓さんになりたい
(C) mio kakiuchi


明石農園では、農作業をしているだけではない。子どもたちを集めて農作業の楽しさを伝えたり、料理教室を開催したり、作物が育つ楽しさと収穫の喜び、農業の大切さを伝えている。

 

種を蒔き、長い畝に苗を植えていく作業などを見ていると、成長していく農作物を見る楽しさが伝わってきます。青空の下、仲間と共に黙々と作業をし、見渡せば、広い畑にたくさんの野菜が畝を作って並んでいます。「お百姓さんになりたい」、そんな気持ちが見ている側にも芽生えてきそうです。若い人々の工夫と努力が、これからの日本の農業を変えていくという希望も見えて、お百姓さんはすてきだなと思いました。心の洗濯にもなる映画でした。


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