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お料理帖 ~息子に遺す記憶のレシピ~

2019年8月

NOTEBOOK FROM MY MOTHER

 お料理帖

  • 監督:キム・ソンホ
  • 脚本:キム・ミンスク
  • 音楽:カン・ミングク
  • 出演:イ・ジュシル、イ・ジョンヒョク、キム・ソンウン
  • 配給:アーク・フィルムズ、シネマスコーレ

2018年 韓国映画 104分

  • 第22階釜山国際映画祭パノラマ部門上映
  • 第37回ハワイ国際映画祭EAT.DRINK.FILM部門上映
  • 第3回ソウル国際料理映画祭オープニング上映
  • 第31回東京国際映画祭提携企画「コリアン・シネマ・ウィーク2018」正式上映

認知症が進んでいく母を思う息子の気持ち、どこの国も同じですね。「お料理帖」に登場する息子は本当はとても優しく、その母は病む人たちへの優しさに満ちていました。しかしこの姿は、お互いには見えませんでした。しかし、母親が認知症になったことをきっかけにして、お互いの優しい本当の姿を知るようになったのです。自分の親のことを思いながら胸がキュンとなる、心温まる、涙の作品です。


物語

ギュヒョン(イ・ジョンヒョク)は二人の子どもの父親だが、のらりくらりとしていてまったく生活能力がない。万年非常勤講師から脱出して教授になろうと、友達に斡旋してもらいご機嫌をとっている。働いている妻・スジン(キム・ソンウン)に怒鳴られる毎日だ。

そんなギュヒョンの母親・エラン(イ・ジュシル)は、女手ひとつでギュヒョンとその妹・スジンを育て、小さな総菜店を30年も営んできた。この総菜店は「薬のような料理」と評判で、ガン患者やアトピー患者が頼りにして来店していた。

 お料理帖
(C) 2017, ZOA FILMS, ALL RIGHTS RESERVED


友達から教授職を紹介されたギュヒョンだが、大学から「教授になるには5千万ウォンが必要だ」と言われ、途方に暮れてしまう。どこにそんなお金があるのだ……。

ギュヒョンは、足をくじいて店を開けることができなくなったエランから、どうしても行きたい所があるから、車でつれていってほしいとに頼まれる。不自由な足を押してまで行きたい場所にいったい何があるのか。ギュヒョンはエランの秘密が気になりながらも、車を運転した。

ある日、エランは業者と支払いについて行き違いがあり、もめた。またある日は、孫のために買いに行った靴を黙って持ってきて警察に突き出されたり、冷蔵庫に傘が入っていたりと、エランに異常な行動が目立つようになった。気になったギュヒョンは、エランを病院につれていくが、認知症と診断された。それもかなり進んでいる。子どもたちの荷物にはなりたくないと思ったエランは、施設に入ることを決める。

 お料理帖
(C) 2017, ZOA FILMS, ALL RIGHTS RESERVED


ギュヒョンは家と店を売り、施設入所料と教授になるための5千万ウォンを出そうと考えていた。すべてが持ち去られてガランとなった店に、エランの料理に助けられたという人々が訪れてきて、ギュヒョンは母の細やかな働きを知る。エランの部屋の引き出しの中に一冊のノートを見つけた。ノートを開けると、そには「ソユル(孫)のためのおいにぎり」「ギュヒョンが飛び起きる粥」など、家族を思い、食べやすいように工夫された料理のレシピが書かれていた。それを見たギュヒョンは……。

 

人はここまで変われるのかと、人生はいつでも希望があるあと感じました。母と息子の美しい愛の姿をご覧ください。


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