お薦めシネマ
リンドグレーン
2019年12月
- 監督・脚本:ペアニル・フィシャー・クリステンセン
- 脚本:キム・フップス・オーカソン
- 出演:アルバ・アウグスト、マリア・ボネヴィー、マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルソン、トリーヌ・ディルホム
- 配給:ミモザフィルムズ
2018年 スウェーデン・デンマーク映画 123分
- 第68回ベルリン国際映画祭特別上映作品
- 第54回シカゴ国際映画祭外国映画部門観客賞
- 2018年トランスアトランティック・フェスティバル ニューシネマ部門受賞
- 2019年スウェーデン・アカデミー賞 作品賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞、衣装デザイン賞、美術賞ノミネート
- 2018年ミルバレー映画祭 ワールド・シネマ部門賞観客賞ノミネート
- 2018年ヌードリーク映画祭 作品賞ノミネート
- 2018年ヴェステロース映画祭 観客賞ノミネート
日本の子どもたちも大好きな「長くつ下のピッピ」「ロッタちゃん」で有名な、スウェーデンを代表する児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの若き時代を描いた作品です。リンドグレーンの作品は、70か国語以上に翻訳され、100以上の国で出版されています。94歳で亡くなるまで、「長くつ下のピッピ」「ロッタちゃん」を始め、「やねの上のカールソン」「やかまし村の子どもたち」などはシリーズ化され、数えられないほどの作品を世界中の子どもたちに残しました。映画「リンドグレーン」では、読者である子どもたちから寄せられた手紙が朗読され、彼らの疑問が彼女の半生のこんなところに見ることができるという形で進んでいます。
リンドグレーンの繊細な感性が、体験する人生の喜び、悲しみ、苦しみをとおして豊かな作品を生み出し、世界中の子どもたちをひきつけ、子どもたちから愛される要素となっています。
物語
16歳のリンドグレーン(アルバ・アウグスト)は、自然豊かなスウェーデンのスモーランド地方で、両親と兄弟姉妹に囲まれ、自由奔放に生きていた。しかし、ダンスパーティーでは男の子から誘いの手はなく、リズムのある曲になったとき、ついにリンドグレーンは踊りの場に向かい、身体を自由に激しく動かしてひとりで踊り始め、周囲の若者たちを驚かせた。家族は教会の敷地内に暮らしていた。父サムエル(マグヌス・クレッペル)と母ハンナ(マリア・ボネヴィー)は、牧師や信者たちを気にして子どもたちに厳格な態度で接し、教会の教えや田舎のしきたりにを大切にする両親に対して反感を覚えて始めていた。
(C) Nordisk Film Production AB / Avanti Film AB. All rights reserved.
ある日、リンドグレーンは父親の紹介で、小さな地方新聞社で働き始める。編集長ブロムベルイ(ヘンリク・ラファエルソン)は彼女の仕事の的確さと文才に気づき、リンドグレーンに取材や編集を任せるようになっていく。仕事が楽しく充実してきたリンドグレーンは、髪を切った。妻との離婚協議が長引き疲れていたブロムベルイは、リンドグレーンの優しさに癒やしを求め、やがてリンドグレーンはブロムベルイの子どもを身ごもる。
(C) Nordisk Film Production AB / Avanti Film AB. All rights reserved.
両親から妊娠を反対され、隠すようにと言われたリンドグレーンは、ブロムベルイの態度にも落胆し、ひとりで産み育てる決心をする。「孫を歓迎してくれるまで家には帰らない」と言い残して家を出る。
リンドグレーンはちょっと変わったところがあり、あぶなっかしい生き方ですが、人々に優しく接し、人生の出来事に悩み、時に間違いながらも精一杯生きていく姿、我が子への愛情は、とても魅力的です。