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お薦めシネマ
インディペンデントリビング
2020年 2月
- 監督・撮影:田中悠輝
- プロデューサー:鎌仲ひとみ
- 音楽:ガナリヤ、サイレントニクス/cloud nine(9)
- 出演:小角元哉、平下耕三、木下浩司郎、阿部明日香、内村恵美、大橋ノア、渕上賢治、山下大希、川崎悠司、三井孝夫、池本博保、川端延昌
- 製作協力:全国自立生活センター協議会、自立生活夢宙センター
- 配給:ぶんぶんフィルムズ
2019年 日本映画 98分
舞台は、大阪にある自立生活センター。他者の援助を必要としている人が一人で暮らせることを目指して、さまざまな支援をしているセンターです。ここの特徴は、行政などが開いているセンターではなく、障害を持っている人たち自身が立ち上げたセンターだということです。リーダーも手助けをする人も、自立をした生活をしている障がい者たちです。部屋を借りるためにどのような手続きが必要か、ヘルパーとどのように関わっていったらよいかなど、苦労した体験を持つ人々が教えてくれるのでとても実際的です。
障害の状態も実にさまざま。17歳のとき交通事故で脊髄を損傷し、首から下が麻痺した渕上さん。15年もの間寝たきりとなり、母親の世話を受けていましたが、介護の疲れから母親が亡くなり、自立センターと出会い、障がい者でも自立ができることを知りました。自立をすすめたのは、自立センター代表の平下さん。力強く自立の覚悟を説きますが、平下さん自身も先天性骨形成不全症の難病で、厳しい経験から自立センターを立ち上げました。
(C) ぶんぶんフィルムズ
渕上さんは2年をかけて自立センター「ムーブメント」を立ち上げ、そこへ脳性麻痺と知的障害を持つ山下さんが、自分らしい生活をしたいと自立を目指して「ムーブメント」へやってきました。
自立生活夢宙センターでも、不摂生な生活から脳卒中で倒れ、右半身の麻痺と言語障害がある木下さんが、自立を目指して奮闘していました。ヘルパーに伝えるために指示の出し方や意志の疎通に困難がありますが、「俳優になりたい」という夢の実現に向かって歩んでいます。親からの自立を目指す阿部さんも、自立を目指して夢宙センターにやってきました。
自立センター「リアライズ」には、重症心身障害の池本さんがヘルパーたちの援助を受けながら、自立を目指しています。ヘルパーたちは、家族とも対話を続けて粘り強く支援しています。
なぜ自立したいのか、自立した生活を送っている先輩たちから、覚悟が試されます。介助者として働きながら暖かい目で自立センターの人々を見守る田中悠輝監督のドキュメンタリーです。
田中悠輝監督
知らない世界でした。生きるとはいかに大変なことか、しかし、仲間と一緒に生きることはなんと楽しいことか、を感じる作品です。