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PLAN 75

2022年6月

PLAN 75

  • 監督・脚本：早川千絵
  • 脚本協力：ジェイソン･グレイ
  • 音楽：レミ・ブーバル
  • 出演：倍賞千恵子、磯村勇斗、河合優実、たかお鷹、ステファニー・アリアン
  • 配給：ハピネットファントム・スタジオ

2022年　日本映画　112分

  • 第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式出品作品
  • 第75回カンヌ国際映画祭　カメラドール スペシャル・メンション受賞

「PLAN 75」は、2022年6月17日の公開を目前にして、第75回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門へ正式出品されました。これだけでも快挙なのに、さらに、カメラドール（新人監督賞）スペシャル・メンション（特別賞）を受賞し、早川千絵監督は一躍有名になりました。しかし、それ以前に、75歳以上の安楽死を助ける近未来の国家政策を取り上げた作品として、すでに話題となっていたのです。寅さんの妹・さくらとして、長い間、日本人に愛されていた倍賞千恵子が、高齢で主役を演じるということでも取り上げられていました。


物語

れ角谷ミチ（倍賞千恵子）は、ホテルの客室清掃をしながら生計を立て、つつましく暮らしていた。しかし、仲間の高齢者が仕事中に倒れたのを機に、他の高齢者とともに解雇される。仕事がなければ収入はなく、生活に困る。「もうちょっと、やれるのではないか」と思って仕事を探し、「プラン75」に応じるつもりはないが、雇ってくれるところはない。「プラン75」のミチの担当者である成宮瑤子（河合優実）から定期的に電話がかかって来るが、その15分間の会話が、ミチの楽しみとなっていた。

ツユクサ
(C) 2022『PLAN 75』製作委員会／Urban Factory / Fusee


ツユクサ
(C) 2022『PLAN 75』製作委員会／Urban Factory / Fusee


市役所で「プラン 75」の窓口担当になった岡部ヒロム（磯村勇斗）は、申請に来たある高齢者が、久しぶりに出会う伯父の岡部幸夫（たかお鷹）とわかり驚く。親族ということで担当からは外れるが、一人暮らしで孤独の幸夫が心配になる。

ツユクサ
(C) 2022『PLAN 75』製作委員会／Urban Factory / Fusee


フィリピンに子どもを置いて日本にやってきたマリア（ステファニー・アリアン）は、娘の手術代を稼ぐため、一生懸命に働いている。政府の施設で、高額なアルバイトがあると聞くが、それは「プラン 75」の関連施設での仕事だった。


 

出演者には多くを語らせず、風景を見つめる沈黙の姿や、考えこむシルエットで、見る者に静かな時間を与えています。

このような制度は、現実的ではありません。若い人にも必ずやってくる老いと人生の終わりをどう迎えるのか。この作品が、それを考えるきっかけになると思います。さらに、社会の中で生きるとはどういうことかを問いかけています。見た後で、いろいろな世代の人との分かち合いができたら、さらに作品理解が豊かになり、そして人生観を深めることでしょう。


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