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八月六日の朝 ぼくは十四歳だった

『八月六日の朝 ぼくは十四歳だった』表紙

  • 著者:長谷川儀
  • 定価:本体1,300円+税
  • B6判 並製 216ページ
  • ISBN978-4-7896-0684-4  C0023



1945年8月6日が何を意味しているか、ほとんどの日本人は知っていることでしょう。
 そうです。広島に原爆が世界で最初に投下された日です。

この本を一言で表現するならば、14歳で被爆した長谷川儀(ただし)少年がこれまで歩んできた道のりを書き表したものと言えます。

しかし、それだけでなく、儀少年が生まれた1931(昭和6)年頃からの社会の状況の変化、広島という「軍都」の状況などが、少年の目を通じ、肌で感じ取っまま克明に語られるので、学校の社会科や歴史の授業で学んだことよりもずっと心に響いてきます。

中学2年の時、学校警備員に命じられ、兵舎として使われている学校を守るための役割を担わされていたある日、突然、広島上空で、原子爆弾が炸裂。その瞬間から、運命は大きく狂ってしまいました。

爆心地から2キロの地点で被爆し、大やけどを負い、生死の境をさまよいますが、ご両親をはじめ、兄姉の尽力、多くの善意の人々の助けによって、奇跡としてしか表現できない不思議な出来事によって、この少年は命をとりとめることができました。これは、のちに、イエズス会総長となったペトロ・アルペ神父様、パウロ・ネーベル神父様、等の力によるものでした。

それは、神様が、この少年に、生きて大きな使命を果たして欲しいとお望みだったとしか考えられないことでした。原爆症と闘いながら、学校を卒業し、司祭をめざし神学校に入学し、広島教区司祭として叙階の恵みを受け、司祭になることができました。

原爆症との闘い、それを看病なさるご両親の献身、イエズス会司祭たちとの交流など、温かい人間関係が描かれており、読み終わった後も、この司祭とともにおられる神様の温かな大きな腕の中にいるように感じることでしょう。

中学生以上の方々、また先生方にも、ぜひ、読んでいただきたい本です。

女子パウロ会 発行

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