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世界は涙を忘れて・・・

『世界は涙を忘れて・・・』表紙

  • 著者:今道 友信
  • 定価:本体2,000円+税
  • 四六判 上製 230ページ
  • ISBN978-4-7896-0707-0  C0095



著者は卒寿を迎えた世界的哲学者。
 本書を読み、哲学者であり、思索者である著者の心の純粋さと思考の深さに感じ入ってしまいました。

 著者が哲学者と言っても、本書は難解な哲学書ではなく、エッセイ集として気軽に読めるものとなっています。

 全体は3部構成になっており、第1部は「二つの橋の物語」と題されています。著者が若い時に留学先のセーヌ川にかかるポン・デ・ザールの上でいろいろなことを考えていたことが、年をとり、尼崎の藻川にかかる善法寺橋にたたずむ時に思い出され、それがさらに思考を深め、広げていく様子がしみじみと伝わってきます。

 第2部は、「聖母の花影にて」と題されています。若い時の断想と、現在の断想が収められています。著者の聖母への思慕が静かにながれています。
 全体を通しての感想といえますが、特に、この第2部においては、著者の幅広い、深い知識に驚くばかりです。

 第3部は、著者が現在も連載なさっている雑誌のエッセイを集めたものです。
 物事を深く考えたい人には、思索のヒントを与えられるものです。また、高校生、大学生、若い人々にぜひ読んでいただきたいものです。

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