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あなたにとって神とは?~神は神頼みの神か 苦難の中の光か~

『あなたにとって神とは?~神は神頼みの神か 苦難の中の光か~』表紙

  • 著者:森 一弘
  • 定価:1,300円+税
  • 四六判 並製 192ページ
  • ISBN978-4-7896-0738-4  C0016



著者は、東京教区の森一弘司教です。これまでも、日本の行方について考察した『これからの日本のゆくえ~憲法改正問題を切り口として~』など、多くの著書を著しておられる著者が、今回、神についての本を出されました。

 著者が「まえがき」で述べておられるように、本書は東日本大震災のとき、その荒廃した現場から発せられた、鋭い問いに真摯に答えようとしたところから生れました。その問いとは、「神がもし存在しているならば、なぜ、このような酷い災害をゆるすのか」「神は一体何者なのか。なんでもできる全能の存在なのか、それとも罰を与える厳しい神なのか」などでした。著者は、これらの問いを、キリスト教への問いだけではなく、一神教についての問いであると、しっかり受け止め、答えておられます。

 最初に、「アエラ」誌2011年4月11号の大震災緊急増刷号に掲載された藤原新也氏の記事の中に表されている神観について、その矛盾を指摘し、それに答えることから筆を進めています。
 第2章では、突然襲ってくる自然災害や事故など、残酷で非情な出来事を、私たちは何としても避けたいと思っています。しかし、ある日突然に悲しい出来事が襲ってきます。それらをどのように受け止め、向き合ったらいいのか、ということについて論を進めます。

 この1、2章だけでも私たちカトリック信者に、よく問いかけられる質問に答えているもので、参考になる点が多いのですが、さらに、日本に伝えられたキリスト教によってもたらされた一神教について、その理解の難しさも指摘しつつ、遠藤周作氏がその生涯をかけて作品を通して問い続けた「自分の背丈に合わない洋服」としてのキリスト教との戦いを紹介し、解説しています。
 最後に、キリストがもたらした「福音」とは何か、キリストとはどういう方かについて結論としてその姿を指し示します。

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