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梯子を降りる ― 悲嘆からコミュニティへ ―

『梯子を降りる』表紙

  • 著者:ジャン・ヴァニエ
  • 訳者:宮永 久人
  • 定価:1,000円+税
  • B6判 並製  96ページ
  • ISBN978-4-7896-0803-9  C0016



1988年11月、ラルシュ・コミュニティの創立者であるジャン・ヴァニエは、ハーバード大学の講演会に招かれました。この講演会は、ハーバード神学校が企画した最初の連続講演会でした。本書は、この二つの講演を収録したものです。

 ジャン・ヴァニエの、この講演は多くの人々に、大きな影響を与えました。その中でも、いちばん有名な例はヘンリ・J・M・ナウウェンでしょう。彼が本書の「まえがき」に書いているように、大学教授の席を投げすて、ラルシュ・コミュニティに加わったことからもわかります。

 ジャン・ヴァニエの講演は、いつも彼の簡単な生い立ちと、どうしてラルシュ・コミュニティを始めたかについて触れています。

 彼の言葉によれば、「青春時代を、他者を管理し、指示を与えるという効率性の世界のなかで過ごしました」。しかし、平和の道を歩むようにという、イエスの促しを感じ、大学で哲学を学び、トロント大学で哲学を教えはじめたとき、ある知的障害者との出会いをきっかけに、2人の知的障害者と一緒に生活するようになりました。これがラルシュ・コミュニティの始まりでした。

 それは、ジャン・ヴァニエにとって、イエスから、梯子を降りて、貧しく片隅に追いやられている人々と生活を共にするようにという招きを受けていると感じたのでした。

 彼らとの生活を通して学んだことは、彼らが心からの交わりを求めているということでした。愛と友情を求めての叫びを聞き取りました。
 知的障害をもつなかまたちとの生活のおかげで、ジャン・ヴァニエは「人と交わるということはどういうことなのかわかるようになりました」と言っています。

 その交わりは、「ともに歩く」ということであり、その「歩み」を通して、イエスがよきおとずれをもたらすために来たのは、小さな人々のためであったということに気づくのです。

 こうしてできたラルシュ・コミュニティは、真のコミュニティを求めている人々に、コミュニティについてのいろいろなことを教えてくれるのです。

 ひとりひとりをありのままに愛することが求められます。
 ジャン・ヴァニエは、コミュニティは「神の現存の場」と言っています。

 本書は小さな本ですが、ぜひ、すべての人にお勧めしたいと思います。人との交わりに悩んでいる人や、人間関係につまずいている人も、必ず、このページのどこかに、大切な何かが見つかるはずです。

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