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新刊のご案内
マザーテレサの霊性
- 著者:ラニエーロ・カンタラメッサ
- 訳者:太田 綾子
- 訳:女子パウロ会
- 定価:本体1,100円+税
- 天地18.5cm×左右17.0cm 120ページ
- ISBN978-4-7896-0826-8 C0016
この本の著者のラニエーロ・カンタラメッサ枢機卿は、講演者・作家として国際的に高く評価されている、カプチン・フランシスコ修道会の司祭(=カトリック神父)です。1980年から教皇庁付説教師として、そして2020年には枢機卿にも任命され、現在もわたしたちへ向けて霊的な指導を続けてくださっています。
女子パウロ会は、この本に書かれた導きを、キリストを求める多くの人々のもとへ届けたいと願い邦訳版を出版することにしました。マザーテレサの霊性を紐解き、聖なるマザーテレサの心を少しでも知り、わたしたちも、一人一人に固有の聖性を選びとっていくことができますように。
この本は、カンタラメッサ枢機卿がまだ枢機卿ではなかった頃、2003年の待降節に教皇庁で行われた黙想会でなされた講話を収めたものです。
カンタラメッサ師は、マザーテレサの霊性、聖なる生き方を通して、わたしたち自身にも"聖なる者"であるように訴えかけます。マザーテレサは、どのような特別な道を通り、その聖性を高めていったのでしょうか。
マザーテレサの「聖人であるのは贅沢なことではなく、必要なことなのです」という言葉から、黙想の旅が始まっていきます。
わたしたちは聖人と聞くと、まるで生まれた時から正しい道を歩き、迷うことなく、一直線に神さまへ向かって生きた存在なのではないかと思い込んでしまうことが、ままあります。そして、だからこそ、わたしは聖人にはなれないのだと、初めから目を逸らしてしまうのです。
しかし、それが事実ではないということが示されます。
マザー・テレサは、聖なる道を歩みました。けれど、そこに"迷いがなかった"のではないのです。迷い、神さまに反論し、惑い、苦悶し……しかし、その識別の中で「はい」を生きました。
そっくりそのままマザー・テレサの道を歩むのが、わたしたちの聖性なのでしょうか?
それも、そうではないことが諭されます。
──ということは、聖性に達するには、すべての人に当てはまる一般的な規則に従うだけでは十分ではありません。
その人に神が望むこと、その人だけに望むこととは何か、理解しなければなりません。
(本文 p.24)
わたしたちは、それぞれ神さまから特別に何かを望まれているのです。それでは、自分自身に神さまが望んでいることを、どのように識別していけば良いのでしょう。その方法も、その答えも、ひとつではありえません。ただ、コルカタの聖テレサ(マザーテレサ)というひとつの生き方、識別の道を知ることで、わたしたち自身の歩みを強めていくことができるのです。
この本は、手に取りやすいサイズで、ページ数も多くはありません。内容は4章に分かれており、その中も4-5節ずつに区切られています。毎日少しずつ読み、日々の暮らしの中で祈っていくのにちょうどいい構成です。もちろん、通して読んで、じっくり噛み締めることもできます。
いつか神さまを求めていく道の上で、識別・選択を迫られた時、この本を通して培われた霊的視点が必ず助けになることでしょう。