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新刊のご案内
星をみつめて
- 著者:エツァルト・シャーパー(Edzard Schaper)
- 訳者:阿部 祐子
- 定価:本体1,200円+税
- 新書判(174mm×109mm) 並製 104ページ
- ISBN978-4-7896-0829-9 Cコード:C0297
著者をご存じの方は少ないと思いますが、1908年現在のポーランドであるプロイセンで生まれました。19歳の時に最初の本を執筆しています。しかし、ナチス政権下、ソビエト連邦の時代、死刑判決を受け、デンマークやアイルランドに亡命し、最終的にはスイスで小説やなどを書いた作家です。
この本は、「現代の星の王子様」のようなお話として、多くの人々の心を打ち、読み継がれているものです。
訳者が本書と出会いい、ぜひ、日本の人々にも読んでもらいたいと願い、このたび出版されたものです。
イエスの誕生を知らせる星を見つけて、東方の博士たちが旅立った記事は、聖書に書かれています。しかし、この星を見つけたのは、東方の博士たちだけではありませんでした。
心優しい、小国の若い王様が、ある夜、不思議な星を見つけました。
この王様の家には、言い伝えられていたことがありました。「いつの日か、空に星が現れ、全知全能の神様の御子がお生まれになる」ことを教えてくださる。その時には、この国を支配している王は、その偉大な王様を礼拝するために出かけなければなりませんでした。
心優しい若い王は、すぐに贈り物を持って一人で馬に乗り、旅立ちました。
旅の途中で、物乞いの女に出会いました。その女に生まれた赤ん坊のために、贈り物に持ってきた亜麻布やお金を渡しました。その女は「私にできることといったら、あなたを私の心の王とすることだけです。でも必ずそうします。今この瞬間から」と答えました。
心優しい王様は、贈り物に持ってきたものを、出会った、困っている人たちに、次々にあげてしまいました。そうせざるを得ない心から思わず出た行為でした。
しかし、その結果は、無一物になり、子どもを助けるために、ガレー船の漕ぎ手となって30年間の過酷な生活を過ごす結果になったのです。
30年の後、今は息絶え絶えになってたどり着いたところは、エルサレムの城壁の外で、十字架に付けられた、その方と出会うことができました。目と目を合わせることだけしかできませんでした。彼には持ってきたものは何もありません。彼の最後の言葉は「私の心……主よ、私の心……彼女の心……私たちの心を、お受け取りくださいますか」という言葉でした。
このような本のご紹介をする時、いつも「まず、ぜひ手に取って読んでみてください! 私がどんなに感動しているか、こんな文章では伝わってこないでしょうから」、と申し上げたい思いでいっぱいになります。この本もそうでした。