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女子パウロ会ニュース
特別なパスケッタ
2007/04/19
うれしそうなSr.ロレンチーナ |
パスケッタ(pasquetta)とは、イタリア語で復活の主日後の月曜日や、その月曜日にピクニックに行くことを意味します。
修道院でもご復活の大祝日を祝った後、共同体で遠足に行きます。わたしたちはご復活後の遠足を、復活の主日後の月曜日でなくても“パスケッタ”と呼んでいます。その日は、自然をとおして、復活を祝うのにふさわしい春のいのちの充満を味わい、共同体のメンバーと共に過ごしながらいつもとは違った形での関わりのときを過ごします。
今年は、日本の女子パウロ会(聖パウロ女子修道会)を創設した4名のメンバーの1人であるSr.ロレンチーナが、復活祭後に来日しました。シスターロレンチーナは、今はシンガポールで宣教していて、14年ぶりの日本です。そこで、4月16日(月)、東京在住のメンバーは、彼女と一緒にパスケッタに行くことにしました。
2台の貸切バスで、箱根方面に行きました。2台の貸切バスでの遠足などという体験は修道院に入ってからはじめてです。ワクワクしながらこの日を待ちました。あいにく雨でしたが、楽しい一日を過ごすことができました。16日はミサの時間をいつもより30分早くしてもらい、7時に乃木坂を出発しました。きれいなバスで高速道路も順調、快適なバス旅行となりました。
道順
今回のルートは、修道院 → 首都高速を経て東名高速道路 → 海老名サービスエリアにて休憩 → 小田原厚木道路 → 箱根・大涌谷 → 乙女峠を経て秩父宮記念公園、昼食 → 東富士五湖道路 → 中央自動車道 → 談合坂サービスエリアにて休憩 → 修道院です。
箱根・大涌谷
16日は、残念ながら雨の確率80%。海老名サービスエリアを出たころからはポツポツと降り出し、箱根・大涌谷に着いたときには、霧で2~3メートル先は何も見えないという状況でした。しかし、この景色はとても幻想的でした。
大涌谷からは、お天気のいいときには富士山を眺望できるということです。この日は小学生や台湾からの観光客が訪れていました。雨の中でも硫黄のにおいが立ち込めていました。このような環境の中でも、春の訪れを告げる新芽が心を和ませてくれました。
“黒たまご”、おいしいですか? | 新芽がかわいい! |
大涌谷自然研究路をやっと見つけ、歩いて行くと上には玉子茶屋があり、噴出する熱湯で“黒たまご”が作られ売られていました。先に着いたシスターたちの何人かは、このたまごをおいしそうにほおばって、とてもしあわせそうでした。
御殿場秩父宮記念公園
この公園は、秩父宮様が過ごされた御殿場別邸でしたが、秩父宮家から御殿場市に遺贈され、その後、御殿場市により整備され、2005年に秩父宮記念公園として開園されたそうです。
秩父宮記念公園に到着すると、公園に関する歴史的な背景や公園施設の利用案内なとの説明を受け、その後昼食も含めて2時間ほどをゆっくりと過ごすことができました。
“日本の歴史公園100選”のひとつに選ばれただけあって、自然を保ちながらも手入れがゆきとどき、様々な花を満喫しました。桜はもう散り、木々の若葉が出ていました。メモリアルガーデンを眺める景色は、なんとも言えないおだやかな憩いの雰囲気をかもし出していました。雨も手助けしてか、スピリチュアルな空間の中、祈りに誘われました。ゆっくり椅子にでもかけながら、「この雰囲気の中にずっといたいなー」という感じでした。
談合坂にて休憩
東京に向かっての最後のサービスエリアとあって、多くの人が食事をしたり、買い物をしたりしていました。最近のサービスエリアは、一昔のそれとは大いに違い、ちょっとしたショッピングモールのようです。お店の名前など、日本語とイタリア語が書いてあり、おしゃれな感じの装いでした。わたしたちは、ここで、遠足では恒例になっているソフトクリームをいただきました。みな、このときばかりは満足げでした。
帰路へ
談合坂での休憩を終え、帰路につきました。車の中で、今日という日をいただいたこと、一緒に過ごしたこと、わたしたちを安全な運転で運んでくださった運転手さん、修道院で留守番のため、または使徒職、健康上などの理由で残った姉妹たちのことなどを思い起こし、主に感謝の1時間の祈りをささげました。
今回は何よりも、特別のパスケッタでした。日本の女子パウロ会創設のために働き、誓願60周年を迎えたSr.ロレンチーナへの感謝をこめた祈りをし、みなで、最後に「ありがとう」のことばを贈りました。
ありがとう、としか言えないときがある。
あふれる感謝の思いを伝えたくて、あれこれことばを捜しても、
結局ただひとこと、「ありがとう」としか言いようのないとき。
あなたが助けてくれたこと、
あなたが支えてくれたこと、
あなたが受け入れてくれたこと。
何よりも、あなたがいてくれたこと。
それがいかにうれしかったかを具体的に伝えたいけれど、
ことばでいくら説明したところで、
心にあふれる思いはとても表しきれないというとき。
結局たったひとこと言う「ありがとう」
『生きるためのひとこと』(女子パウロ会刊)より
Sr.ロレンチーナは、14年前、70歳で新しい宣教の地、シンガポールへ派遣されました。シンガポールから、「わたしは毎日、日本のことを思って懐かしいでした。今でも心の中に日本のことはありますが、今はシンガポールのために、毎日働いています。今度、みなさんと出会えるのは天国でしょう」と言い、今のシンガポールでの様々な状況を分かち合ってくれました。今も彼女の心を揺り動かしているのは「パウロの心」「キリストの心です。「あなたたちの境界線は世界の果てです!」との創立者の心が、彼女の魂の中に息づき、いつも前進し続けています。
この日は、雨の中でも日本の美しい風景を満喫した一日でした。この日の恵みにエネルギーをもらって、また、新しく歩みはじめます。Sr.ロレンチーナのことばで言えば、「天国でまた会う日まで」。
日ごろの忙しい使徒職から離れ、Sr.ロレンチーナや姉妹と交わる楽しい一日を過ごすことができました。Sr.ロレンチーナ、あなたの派遣の場、シンガポールで「救いのメッセージを地の果てまでに」という魂で、「救いと平和という福音のメッセージを伝え」てください。
ありがとう、Sr.ロレンチーナ。