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女子パウロ会ニュース
ほほえみの人、Sr.胡元
2013/04/09
復活節第2主日の「主のいつくしみの主日」に、ガンの末期で入院していたSr.マリア・アウレリア胡元稚笑子(えびすもと ちえこ)が、79年の生涯を終え、御父のもとへ帰っていきました。
Sr.胡元は、写真のように、いつもほほえんでいるシスターでした。2年前の2010年6月30日に、誓願50周年のお祝いを迎えました。とても喜んでいて、そのとき、今までのパウロ的生活を感謝して、総長に次のような思いを表していました。
《わたしは今年77歳となり、新しい未来に向かって少しずつ歩きはじめています。ありがとうございます。心から感謝しています。これはわたしの毎日の祈りです。あわれみ深い御父に、地上に住むすべての人に、造られたすべてのもの、宇宙に、感謝とゆるしを願います。この祈りにわたしはほほえみを加えます。それはわたしの毎日がいつくしみ深い御父へのマリアの旅のようになるためです。将来のためにもありがとう。いつもありがとう。》
Sr.マリア・アウレリア胡元は、1934年に宮崎県で生まれました。20歳のときに、三重県のカトリック津教会で洗礼を受けました。洗礼によって神の子どもとなった喜びはひとしおで、この喜びを人々に分かち合いたいという思いで、3年後の1957年6月29日、要理の勉強を一緒にしていた姉妹とともに、大阪修道院に入会しました。
1961年、初誓願を宣立し、訪問宣教やデパートのセントポールコーナーでの宣教に務めました。
1967年に終生誓願を立ててからは、大阪、東京、長崎、仙台の書院で普及に献身し、教理の事務所や倉庫で奉仕に務めました。
1995年からは、新しい形の使徒職「メールミッション」に派遣され、いろいろな悩みや困難のある人の相談を受けたり、カトリックの教えについての質問に答えたりと、一人ひとりに愛を注いでいました。死刑囚の方からの頼りにも、ていねいに返事を書いていました。Sr.胡元の、苦しむ人や貧しく困っている人たちへのいつくしみは、特別な心遣いを持ってなされていました。
今年の2月2日、体調が悪いと訪れた病院で、緊急入院となったときは、さぞ驚いたことでしょう。胆管ガンの末期で、手術も抗ガン治療もできない状態でした。前日まで外出していたのに、翌日は緊急入院して重篤の状態になることに、周囲も驚きました。
2か月の入院生活は、ちょうど四旬節と重なりました。ほとんど食事をとることができず水分だけをとり、後は点滴の生活でした。忍耐の日々だったことと思います。しかし、Sr.胡元が、誓願50周年に表明した感謝の心は変わらず、見舞いに訪れるシスターたちに感謝して旅立っていきました。
イエスが洗礼を受けたとき、御父から言われた「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という、生涯大切にしていたことばを胸に、最後の苦しみを御父にささげたシスター胡元を、御父がその大きな御手の中に受け入れてくださいますように。
「稚笑子」という名のように、幼子のような純粋なほほえみをいつも絶やさなかったSr.胡元、わたしたちにくださった大きな人生の模範を、わたしたちも生きることができるよう、天国で祈ってください。