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女子パウロ会ニュース
「あけぼの感謝ウィーク」終わる
2015.05.27
月刊誌「あけぼの」の休刊にあたり、いままでの歩みに感謝する「あけぼの感謝ウィーク」は、5月24日(日)、多くの人々の参加をいただき、大きな恵みのうちしに終えることができました。「あけぼの」表紙原画展に、山田太一氏と矢代朝子さんの対談、伊藤千尋氏、山口道孝神父の講演に来てくださったみなさま、ありがとうございました。
特集テーマなどで、幾度となく執筆してくださったお二人は、脚本家と女優というドラマや舞台を作っていく同じ世界に生きる者として共通点があります。いま社会に起きていることを、ドラマをとおしてはっきりと視聴者に示そうとされている山田太一氏の脚本への思いを語りながら、3.11や原発について、「とんでもないことになっている」といういまの政治などについて話が及んでいきました。
山田太一氏 vs 矢代朝子さん 対談 | 会場となった聖堂に集まった人々 |
山田太一氏 | 矢代朝子さん |
5月22日(金)の夜は、元朝日新聞記者の伊藤千尋氏の講演でした。「活憲とヒューマンライツ」と題して、取材で訪れた国々や地域と日本の現状について、64回という長い期間にわたって執筆してくださった伊藤氏には、いままでも「あけぼの講演会」で何度かお話をいたいだきました。今回も、力強く歯切れのよい口調で、ご自身が訪れた国々の状況について話してくださいました。平和憲法を生きるコスタリカ、ナチスについてしっかりと反省しているドイツ、アメリカとキューバの和解、韓国・済州島の博物館、ベトナム、沖縄などの話が次々と展開され、自由と平和を考えるために多くを与えてくださいました。
5月23日(土)の午後は、やはり長い間連載をしてくださった山口道孝師の講演でした。横浜教区の教会で司牧している傍らで、アジアの各地を訪問し、いま、アジアで起きていることを伝えてくださいました。「こんなことをしていていいのか?}を考えるための材料を提供したいと、スライドをみながら、福島、安倍首相の海外への原発の売り込み、沖縄など国内のこと、アジアのことを話してくださいました。「苦しむ人、人並みの権利を持っていない人に冷淡であるなら、わたしたちが何を語ろうとそのメッセージは空しい。心の中に愛を持っていないからだ」というインドの師のことば、フランシスコ教皇の「全世界のキリスト教の教会と施設は、社会の前戦の野戦病院であるべきだ」ということばで結ばれました。わたしたちを必要としている人々がいる社会の中で、わたしたちは何をすべきかを考えるヒントをいただきました。
伊藤千尋氏 | 山口道孝師 |
「あけぼの原画展」と対談、講演会を終え、5月15日からはじまった「あけぼの感謝ウィーク」は、24日(日)の夕方、終了しました。翌日の25日(月)の朝、わたしたちは聖堂に集まり、月刊誌「あけぼの」との最後の別れの祈りをしました。祭壇の周囲には、「あけぼの」の歴史を年表にしたパネルを並べ、執筆者、購読者、編集に携わった人々、表紙を描いてくれた人々、普及に携わった人々、点字・音訳・封筒入れなどをしてくださったボランティアの方々を思い起こして祈りました。最後に、わたしたちひとりひとりが抱いている「あけぼの」への思いを紙に書いて祭壇にささげました。
思いを書いた紙は、聖堂前の壁に貼りました。多くのシスターが、長い文章を書いているのに驚きました。「あけぼの」に対して、それぞれが思いを持っていることがわかりました。
感謝の祈り | 感謝の祈り 祭壇 |
「あけぼの」についての思いを書いた紙を入れた カゴを祭壇にささげる |
それぞれの思いを胸に、祈るシスターたち |
「あけぼの」について書いた紙の掲示 | 「あけぼの」について書いた紙を読むシスターたち |
25日の朝、大阪修道院でも、感謝の祈りがささげられました。祭壇の右端には、大阪支部で行っていた「あけぼの」音訳のテープが置かれました。東京の祭壇には、「あけぼの」誌の他、創刊号の普及の様子の写真、執筆者の手書き原稿、歴代の編集長、年間購読者への封筒、点字、感謝号の表紙の原画が置かれました。
大阪支部の祭壇 画像をクリックすると、大きなサイズになります。 |
東京・本部修道院の祭壇 画像をクリックすると、大きなサイズになります。 |
こうして、月刊誌というメディアによる宣教を終えました。60年間にいただいたたくさんの富は、わたしたちの宝です。すばらしい執筆者の方々に恵まれ、多くの購読者に読まれ、キリストのメッセージを伝えてきました。これからその宝を生か手段を神が与えてくださいますように、また、時代の進歩が提供するコミュニケーションメディアをとおして、宣教していくことができるよう、神が新しい道を与えてくださいますように。みなさま、長い間、ありがとうございました。