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「東日本大震災犠牲者追悼」の祈り

2017.03.11


6年目の3月11日がやってきました。東京の修道院では、14:35からシスタ―たちが聖堂に集まり、「「東日本大震災犠牲者追悼」の祈りをささげました。地震が起きた14:46:18から、鐘を鳴らして黙とうをささげました。以下、祈りの内容を記載します。

雪割草


2011年3月11日 14時46分18秒。宮城県三陸沖合い130キロの海底を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生し、巨大津波によって、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。まもなく、あの日から6年経った2時46分を迎えようとしています。

2011年3月11日 2時46分。
2万人近くの命が奪われた、あの日。
すべてのものを破壊し、のみ込んでいく、現実とは思えない津波の映像を前に、言葉を失った、あの日。
震災以前では当たり前だったことが、震災以降では当たり前でなくなった、あの日。
日本に住む、すべての人の死生観を覆したあの日、2011年3月11日。
「原子力 明るい未来のエネルギー」という「安全神話」が崩れ、放射能の恐怖にさらされることになった、あの日。2011年3月15日。

祈り
2012.03.11の祈り


あの日、あなたはどこにいましたか?
あの日、あなたは誰を思い、何を考えましたか?
2011年3月11日の東日本大震災は、あらゆる意味でこの国の風景を変えてしまいました。
政府は、変わり果てた被災地の復興にやっきですが、おいてけぼりをくっているのは、一人ひとりの被災者です。

原発事故で、強制避難させられた人々が住んでいた町は、6年経った今も、手つかずのままの状態。そして福島第一原発廃炉の見通しが全くたたない中で、政府は原発の再稼働を容認しています。
国の再建という大きな流れから、取り残されたように見える東北の現状。そこには、被災した人の数だけのドラマがあり、心の揺れがあります。

東日本大震災がもたらした悲しみは、誰がどんな言葉を使おうとも、何十年かけて語ろうとも、すべてを伝えきれるものではありません。遺族の方々にとって復興に終わりはなく、震災の痛みは、一人ひとりの中でずっと続いています。

月日は流れ、それぞれが日々の生活に追われ、「2020年東京オリンピック」という華々しいイベントに向けて、人々の心の中から震災は遠くなっているように感じます。震災の記憶が風化しつつある一方、被災家庭はいまだ厳しい状況に置かれています。確かに、前に進むことは生きていく上で大切です。しかし、立ち止まり、振り返ることなくして、真の復興はありえません。

東日本大震災から6年を迎えたこの日、この時間、思いを同じくするすべての人と心を合わせて、犠牲となられた方々を偲び、黙祷いたしましょう。

(黙祷)

「東日本大震災犠牲者追悼」の祈り 「東日本大震災犠牲者追悼」の祈り


「想定外」の悲しみをつきつけられた被災者の方々の思いの一片を知り、それを共有することは、「復興」という大きな枠組みで社会が進んでいる今も、私たちに求められていることではないでしょうか? ご一緒に祈りましょう。

祈願1 この大地震と巨大津波によって犠牲となられた多くの方々、震災後に苦しみの中でいのちを亡くされたすべての方々、今もなお行方不明となっておられる2,556人の方々(2017.2.10警視庁発表)とそのご家族のために祈ります。 悲しみのうちにある家族や関わりのある人々に慰めと励ましが与えられますように。

祈願2 福島第一原発の事故により、見えない放射能によってすべてを置いて故郷を離れ、避難し、不安定な生活を強いられている方々、福島に対する偏見、風評被害で苦しんでおられる方々、様々なつながりを断たれ、傷ついておられる方々、福島第一原発の廃炉に向けて危険な作業に従事しておられる方々のために祈ります。不安や偏見から解放され、一日も早くふるさとに帰ることができますように。

祈願3 今なお不安と困難のうちに、仮設住宅や復興公営住宅で生活しておられる方々、復興をめざして、被災者のためにすべてを尽くして働いておられる方々、ボランティアや様々な活動によって支援しておられる方々のために祈ります。不安と困難のうちに生活しておられる被災者の方々、共に生きる絆と一致のうちに献身的に支援活動を続けておられる方々に、慰めと希望、励ましが与えられますように。

祈願4 東日本大震災から6年の間に起こった、広島の豪雨による土砂災害、御嶽山噴火や鬼怒川決壊、熊本地震など多くの自然災害によって亡くなられた方々、被災された方々のために祈ります。亡くなられた方々には永遠の安らぎを、残されたご家族には悲しみを乗り越え、希望をもって生きる力をお与えください。

「東日本大震災犠牲者追悼」の祈り


今日、各地で追悼の祈りをささげている人々と心をあわせて、すべての人に希望、喜び、光、平和がもたらされますようにとの願いを込めて歌いましょう。

「あなたのへいわの 聖フランシスコの祈りから」

『東日本大震災被災者のための祈り Ⅱ』をご一緒に祈りましょう。
   父である神よ、
   すべての人に限りないいつくしみを注いでくださるあなたに、
   希望と信頼をこめて祈ります。
   東日本大震災によって今もなお苦しい生活を送り、
   原発事故によって不安な日々を過ごす人々の心を照らし、
   希望を失うことがないよう支えてください。
   また、亡くなられた人々には、永遠の安らぎをお与えください。
   すべての人の苦しみを担われたキリストがいつもともにいてくださることを、
   わたしたちがあかしできますように。
   わたしたちの主イエス・キリストによって。
   アーメン。

これで「東日本大震災犠牲者追悼」の祈りを終わります。



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