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女子パウロ会ニュース
子どもたちのために聖書を書き続けたSr.脇田が天国へ
2022.10.09
奉献生活のほとんどを単行本編集部で編集者として働き、また数々の子どものための聖書物語を執筆したSr.マリア・ジェネローザ脇田晶子が、10月6日、救急搬送先の北里大学北里研究所病院において、肺炎のため亡くなりました。91歳のお誕生日を迎える一週間前のことでした。
シスター脇田は、1931年10月14日、広島県呉市で生まれました。幼くして母親に死別し、残された家族に暖かく守られて育ちましたが、「母のない寂しい子」は文学書におぼれ、ひっそりと文章を書きながら成長しました。戦中・戦後の思想的混乱を経て、カトリックの信仰に出会いました。
信仰の喜びを人びとに伝えたいという思いを抱いて過ごしているときに、聖パウロ女子修道会の活動を知らせるパンフレットに出会いますした。「印刷機でみことばをどんどん増やし、人びとに届けよう」という創立者の思いに心を惹かれ、「神さま、呼んでください!」と祈りました。
1953年5月3日、聖パウロ女子修道会に入会し、1961年12月8日に終生誓願を宣立しました。
葬儀ミサ
修道生活の初めのころ、修道会の霊性に関するものをイタリア人のシスターが訳し、それをSr.脇田が書き取って会員のために本にしました。二人の働きによって、会員は創立者の考え、霊性、使徒職の精神を学ぶことができました。1960年からは編集の使徒職に派遣され、その後普及、イタリアでの勉学、図書室の使徒職を体験しましたが、生涯のほとんどを編集の使徒職にささげました。『天からきた人』『イエズスのおかあさん』を始め、『キリストの使徒パウロ』『新約聖書物語』『旧約聖書物語』『子どもの新約聖書物語』『子ども旧約聖書物語』など、聖書を子どもたちに伝えたいと、聖書物語として児童書の執筆に力を注ぎました。これらの本は、幼稚園などの卒園プレゼントとして、初版から版を重ね、今も多くの子どもたちの手に渡っています。
Sr.脇田が執筆した子どもの本・絵本
執筆だけでなく、他の書籍の編集を担当し、また発行物の校閲者としても活躍しました。編集部員の養成にも熱意を燃やし、Sr.脇田の修道名“ジェネローザ”(寛大)の名が語るように、さまざまなことに寛大に協力しました。
葬儀ミサ
共同祈願から:パウロの娘として、走るべき道を走りつくして主のみもとに召されたSr.マリア・ジェネローザ脇田晶子を、ロザリオの聖母に託して祈ります。信仰の喜びを人びとに届けようと、彼女がその生涯をかけて執筆し、編集して生み出したたくさんの本が、これからも多くの人びとの心に福音のメッセージを届け続けることができますように。