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新世紀ルーツへの巡礼
新しいパウロ家族
2)他の新しいパウロ家族
説教する創立者
1950年代、教皇認可を受けて、精神の一致と諸修道会の独立との間にあったデリケートな事柄も落ち着いてきました。
1954に執り行われた聖パウロ修道会とパウロ家族の創立40周年記念の記念行事は、信徒協力者や後援者たちに、複数の修道会によって成り立つパウロ家族のカリスマとその使命を明確に説明する好機ともなりました。
アルベリオーネ神父の説教や書物の中にも、パウロ家族について言及する明確で、組織立てられた表現が見られるようになりました。
アルベリオーネ神父の手記にもこう書かれています。
わたしたちの修道会が四つであることを、主はよみされた。だが《キリストの愛はわたしたちを一つに集めた…… 心の一致を破らぬように警戒しよう》とわたしたち自らを戒めることができよう。
パウロ家の各修道会はみな聖ひつから生まれたので、相互に緊密な親類関係の中にある。
精神は一つ、キリストに生き、教会に奉仕することである。ある者は聖ひつのみ前でみなの代表として取りなしをし、ある者は壇上からのようにイエス・キリストの教えを普及し、ある者は個々の人に近づいていく。相互の間には霊的、知的、倫理的、経済的な密接な協力がある。
統治と管理の上ではそれぞれはっきりと区別されているが、聖パウロ会は、他の三つ[の修道会]に養分を与えるものである。区別があるとは言え、血のつながり以上に高貴な、愛の親しいきずなで互いに結ばれている。互いに独立してはいるが、さまざまな形で祈りや援助の交換がなされる。活動は区別されているが、喜びや苦しみを分かち合い、また、永遠の報いをも分かち合う。
また、1954年に書かれた彼の書には、道・真理・いのちのイメージに従って、調和のとれたパウロ家族全体の表現を見ることができます。
パウロ家族は、真理を告げ、いのちの交わりと恵みを吹き込み、人びとを回心と使徒職に導く。
聖パウロ修道会と聖パウロ女子修道会は、「わたしは真理である」と言われるイエスを、師イエズス修道女会は、「わたしはいのちである」と言われるイエスを、よい牧者イエスの修道女会は、「わたしは道である」と言われるイエスを現す。
四つの修道会は、人びとの救いという共通の目的を実現するために互いに補い合う。
聖パウロ修道会と聖パウロ女子修道会からは、キリスト教の教理が全体的に与えられ、師イエズス修道女会の祈りとよい牧者修道女会の活動を通して、それは個々の人にふさわしいものとして分配される。
また、アルベリオーネ神父はこう述べます。
愛するパウロ家族の皆さん……
道・真理・いのちである聖師イエス・キリスト、
それは生き方としても信心としても
無限の価値を持っています。
この聖師が、修道的完成と 使徒職のすべてを照らしますように。
ガブリエル会修練者
1958に、アルベリオーネ神父は、聖パウロ会に併設された在俗修道女会「聖マリア・アンヌンチアータ会(2007年3月25日、日本でも発足」と「大天使聖ガブリエル会」を創立しました。
在俗会会員は清貧、従順、貞潔の修道誓願を立てますが、特別の修道院に入って共同生活をするわけではありません。アルベリオーネ神父は、修道院の規則や修道服などの規制から活動範囲が制限されることなく、世のどこにでも赴くことができ、パウロの精神で使命を果たすことのできる人、キリスト教的精神を現代的な方法で伝達し、個人や社会生活を向上させることにより、人びとに道・真理・いのちであるイエス・キリストを指し示し、教会に奉仕、協力できることを目的として在俗修道会を創立したのです。
在俗会会員についてアルベリオーネ神父はこう述べています。
彼らは、現代の必要に応じて新しい必要に充分応えています。在俗修道会の会員は、道・真理・いのちである師イエス・キリストのうちに、神の国の実現と発展に、より効果的な方法で協力したいと望んでいる若い人びとに光と愛の新しい道を開いています。
アルベリオーネ神父は、1959年に、教区司祭のための「司祭なるイエス会」を創立します。また彼は、夫婦のための「聖家族会」の創立も決意しました。
長い年月にわたる祈りと準備の後、神の望みに従いたいとの生き生きとした望み、また結婚生活を真の「奉献生活者」として生きることを望む多くの夫婦からのたくさんの要望に応えたいとの望みに応えて「聖家族会」を創立しました。
こうして、「パウロ家族」は神が計画し、神が望んだパウロ家族の大木(alberone)として成長していきます。
アルベリオーネ神父は言います。
パウロ家族は、教会を映し出している。そのメンバーのうちに、その活動のうちに、その使徒職のうちに、その使命のうちに。
従って、パウロ家族は偶然の産物ではない。だから、別のもの、新しいものが付け加わるといったようなことはない。むしろ、パウロ家族は十全的に完成されていくのである。
というのも、わたしたちはイエス・キリストが教え、行ってくださったように、また教会が教え、行ったように、イエス・キリストのうちに生きなければならないからである。
1958年10月9日、カステルガンドルフォで教皇ピオ12世が死去され、10月28日に後継者アンジェロ・ジュゼッペ・ロンカッリが選出され、ヨハネ23世の名前を選ばれました。
ここから教会の新しい歩みがはじまり、パウロ家族もまた新しい歩みに入ります。追ってお知らせしたいと思います。
◆8--2 新しいパウロ家族