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なるほど! 社会教説 “しろはた”

第16回:教育

<第2部、第5章、3 c 教育の務め>

 高校生のとき、先生から聞いた言葉です。
 お前たちは、したくもない勉強をやらされていると思ってはいないか。それはとんでもない考えだぞ。お前たちにとって、勉強することは義務ではなくて権利なんだ。昔は、読み書きは特権階級しかできなかった。一部の人が、知識や技術を独占していたんだ。それを、みんなが勉強できるようにするために頑張った人たちがいるんだ。お前たちがこうして勉強できるのは、権利を勝ち取るために戦った人たちがいるからなんだ。そのことを忘れるな。

 以上、多少わたしの脚色が加わっているとはいえ、大意、このようなものでした。「勉強することは義務ではなく権利」、「権利を勝ち取るために戦った人たちがいる。」勉強に身が入らず、「このまま行くと奈落の底」と通知表に書かれたこともあるわたしにとって、衝撃的な言葉でした。その後バリバリ勉強するように転じたわけではないのですが、奈落の底までは落ちずに済んだと思っています。

 「義務教育」という言葉に引っ張られて、子どもが教育を受けることが義務のように思われがちですが、これは「子どもの義務」ではなく、子どもの教育を受ける権利を保障する「大人の義務」です。子どもが権利の主体であることを忘れてはなりません。


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