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なるほど! 社会教説 “しろはた”

第17回:労働(1)

 「宝くじが当たれば、仕事なんかやめて遊び暮らしたい!」、そんな気持ち、よく分かります。労働には、苦痛や苦労が伴うものです。子どもの頃、実家の畑を母と一緒に全身汗だくになって耕していましたが、自転車で颯爽と遊びに出かける同じ年頃の友だちが輝いて見えました。

 一方で、仕事があるだけありがたい、という思いで働いている人もいます。仕事を失うことを恐れて、無理を重ねている人も少なくありません。そして、仕事のない人、働けない人たちもいます。労働は収入と直結しており、収入は生存と直結しています。ですから、労働は人間にとって極めて重要です。

 また、生存のためだけでなく、人間が充実したいのちを生きるためにも、労働は重要です。労働は、収入だけでなく、社会とのきずなや人に役立つ喜びを与えてくれるからです。

 しかし、人間にとって仕事がすべてではないことも真実です。職種で人間の価値に優劣をつけることがあってはなりませんし、仕事のない人、働けない人が偏見や差別を被ることがあってはなりません。

 深刻な不況の下、厳しい労働環境を生きている今だからこそ、個人的にも、社会的にも、労働とは何なのかを深く考察する必要があります。


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