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なるほど! 社会教説 “しろはた”

第18回:労働(2)

 人は何のために働くのか? もちろん、まずは食べるためです。家族を持つ人は、その家族を養うためにも働かなければなりません。仕事には生活のために十分な収入が伴わなければなりませんが、不当な低賃金を強いられている人たちがいます。そこに、政治的、経済的強者による搾取があるとすれば、わたしたちは搾取されている側の人たちと連帯して戦わなければなりません。ときに、搾取する側が消費者である場合もあります。低価格商品が低賃金によって成り立っているとすれば、わたしたちは消費者として、自分たちの消費行動を反省する必要があります。

 仕事の成果である収入は、景気の動向、はやりすたり、天候、災害などに大きく左右されることがしばしばです。収入は生活に直結しているのですから、安定しているのが望ましいことは言うまでもありませんが、そのためには、社会全体でそれを実現する必要があります。仕事を失うと路上生活を強いられるような社会であってはなりません。事業に失敗した人を、自死に追い込むような社会であってはなりません。

 仕事に限ったことではありませんが、人生にはリスクがあります。そのリスクを個人に負わせるのではなく、社会全体で、広く浅く共有することが必要なのではないでしょうか。


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