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シスターテクラ・メルロ
第10回 いのちの供え物
プリマ・マエストラ(シスターテクラ・メルロ)は多くの時間を旅行に費やしていましたが、総本院のことや養成グループ、学生、使徒職のいろいろな部署に配属されている修道女一人ひとりをおろそかにすることはありませんでした。各人は自由に彼女のもとに行くことができ、彼女も年の黙想の機会を利用して一人ひとりの話を聴き、祝福し、その人の仕事や健康に関心を寄せていました。彼女は、娘たちがいつも朗らかであるように、いつも聖性を目指すように、人々に善を行うようにと願っていたことは明らかです。
だれかが病気になると、どれほど心を傷めていたことでしょうか! まさに病人に対する心の痛みから、創立者の勧めもあって、相当の犠牲を払いながら、アルバーノ・ラツィアーレに使徒の女王病院を建設させたのです。そこで、修道女が医学的看護や霊的世話を受けることができるようにということでした。プリマ・マエストラ自身も、1964年2月5日、そこで70年近い生涯を閉じることになりました。
虚弱であったにもかかわらずプリマ・マエストラは、途方もない大事業を、一日も休むことなく遂行していったのです。彼女は毎日毎日、聖ひつから、聖体の師から堅固な信仰、際限のない愛の力を汲み取っていました。
心にかかるたくさんの仕事を恐れるよりも、むしろ、神のご計画に対する自分自身の応え方の不足、修道会全体の応え方の不足を恐れていました。ある日彼女は「私は神様の恵みを妨げないように気をつけなければ!」と叫んでいました。
おそらくこのような畏怖の念からでしょう。1961年5月28日聖三位一体の祝日に「すべての聖パウロの娘が聖となりますように」と言って、自分のいのちを神に奉献し、永遠の世界へと旅立ちました。彼女の奉献は主に受け入れられ、彼女が病気の間中捧げていた忍耐と穏やかさをもって磨かれた貴重な価値のある英雄的供え物であったのです。
十字架を見つめるシスターテクラ・メルロ
シスター テクラ・メルロの列福を求める祈り
三位一体の神よ、
主がシスター テクラ・メルロに大いなる光と、恩恵と、諸徳を与え、
また、彼女を聖パウロ女子修道会の上知に満ちた母、確実な指導者と選んでくださったことに感謝いたします。
どうか、聖体にまします聖師イエスと、教会と福音に対する愛に生き、また、社会的コミュニケーション手段による使徒職によって完全な犠牲に至るまで人々に奉仕した彼女の取り次ぎによって、私たちにもこのすばらしい徳を生きさせてください。
聖師は御口ずから「私たちに仕える人には、父が栄光をお与えになる」と約束してくださいました。み旨ならば、その御約束の実現として、教会の喜びと多くの人の善のため、この聖パウロの忠実な娘、主のはしための名を高め、今、その取り次ぎによって、わたしたちの祈りを求める恵みをお与えください。
アーメン。
栄唱、天使祝詞(1回)