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第64回 過越の神秘の秘跡祭儀


第2章 過越の神秘の秘跡祭儀

第1章では、私たちの救いと秘跡がどれほど深いかかわりがあるものであるかについて、学びました。第2章では、7つの秘跡を挙行するときに共通することを考えてみましょう。要約すれば、それは、誰が、どのように、いつ、どこで行うのかという問いに答えることでもあります。


第1項 教会の典礼を挙行する


1. だれが挙行するのか

典礼は全キリストの「行為」ですから、この地上で典礼を行うことは、天上での典礼に加わっているのです。


天上の典礼の挙式者

私たちが、秘跡の祭儀に参加するとき、天上で行われている永遠の典礼に参加しています。天上での典礼について、ヨハネ黙示録は、天の玉座に座っておられる御父と十字架に付けられて亡くなられ、復活された大祭司であるイエス・キリストと聖霊について、描いています。このキリストにおいて、1つにまとめられた、そこに集うあらゆる国民、種族、民族、ことばの違う民の大群衆は、神への賛美の奉仕とそのご計画の実現に協力しているのです。


秘跡の典礼の挙行者

秘跡の典礼を挙行するのは、キリストを頭とするからだ全体、つまり教会共同体全体です。もちろんその中に私たちも入っています。ですから典礼の行為は、個人的な行為ではなく、司教のもとに1つに集められた聖なる民である教会の祭儀です。

この祭儀を行う集会は、洗礼を受けた人々の共同体です。この共同体の一員として私たちもいます。私たちは、キリスト信者として、あらゆるわざを通して、霊的いけにえをささげるという「共通祭司職」の務めを受けています。これは、唯一の祭司であるキリストの祭司職にすべての信者が参与しているということです。しかし、すべての信者が、同じ働きをしているわけではありません。ある人々は、教会の中で、教会を通して、共同体への特別な奉仕に召されています。この人々は、叙階の秘跡によって選ばれ、聖別されます。

叙階された役務者は、司祭として、祭司であるキリストのかたどりとして、エウカリスティア(聖体祭儀)の司式をし、司教と一致した奉仕の務めを行うのです。その他に、「特別な奉仕職」もあります。これは、叙階の秘跡を受けてはいませんが、司教の決定によって、典礼や司牧上の必要に応じて任命される人々です。

典礼的奉仕には、侍者、朗読者、解説者、聖歌隊員もかかわっています。ですから、集会全体が「典礼の挙行者」です。祭儀においては、司祭も信者も、役割に応じて各自の務めを果たすのです。

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