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キリシタンゆかりの地をたずねて
東京都 中央区
伝馬町牢獄跡 十思公園
安政の大獄で捕らえられ処刑された吉田松陰の終焉の地として知られる伝馬町牢屋敷は、江戸時代、全国最大の牢屋でした。
常盤橋門外に置かれたのが最初の牢獄で、1677(延宝5)年に江戸町奉行の支配下となりこの地に移されました。1875(明治8)年、市ヶ谷囚獄ができるまで約270年間存続しました。
小伝馬町1丁目を中心として、2600坪という広大な牢獄でした。現在の大安楽寺、身延別院、村雲別院、十思小学校、十思公園を含む一帯が牢屋敷跡となります。
牢舎は、揚座敷、揚屋、大牢、百姓牢、女牢など、身分によって分けられていましたが、宣教師たちが捕らえられた当時は、まだその区別はなく、一般牢と言われていました。
例えば、1623年にアンジェリス神父が捕らえられ後、同宿の2人が出頭しましたが、その時は番人小屋が入り口のところにあり、番人小屋にある牢に入れられたとされています。
ガルベス神父が鎌倉で捕られられた時は、最初は番人小屋に入れられ、その後、6、7メートル離れた一般牢に移されたとされています。
ここに捕らえられていた宣教師たちは下記のとおりです。
- ルイス・ソテロ神父(フランシスコ会) 釈放
- ディエゴ・デ・フランシスコ神父(フランシスコ会) 釈放
- ジェロニモ・デ・アンジェリス神父(イエズス会) 札の辻で火刑
- フランシスコ・ガルペス神父(フランシスコ会) 札の辻で火刑
- シモン遠甫修道士(イエズス会) 札の辻で火刑
- ジュアン山修道士(イエズス会) 牢内で穴吊り
- セバスチャン・ビエラ神父(イエズス会) 牢内で穴吊り
- ルイス・ゴメス・パロミノ神父(フランシスコ会) 牢内で穴吊り
- ジョアン・バプチスタ・ポルロ神父(イエズス会) 牢内で穴吊りにより一旦転ぶが後に獄死
- マルチノ式見市左衛門神父(イエズス会) 牢内で穴吊りにより一旦転ぶが後に獄死
- ペトロ・カスイ岐部神父(イエズス会) 牢内で穴吊り
- ベルナルド・デ・サン・ホセ・オゾリオ神父(フランシスコ会) 札の辻で火刑
- フランシスコ・バラハス神父[孫右衛門](フランシスコ会) 札の辻で火刑
茗荷谷のキリシタン屋敷(井上政重の下屋敷)ができるまで、宣教師や多くのキリシタンたちがこの牢獄に収容されました。
十思公園には、江戸時代には鐘をついて人びとに時刻を告げた、石町(こくちょう)時の鐘が保存されています。
- 住所:東京都中央区日本橋小伝馬町2
- アクセス:東京メトロ 日比谷線 「小伝馬町駅」から徒歩2分
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