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新世紀ルーツへの巡礼
最後の旅
3)アフリカと東洋の魅力:最後の旅
アフリカでのシスターテクラ
東洋の旅から帰宅したシスターテクラ・メルロは、また、その8月には米国とカナダを訪問し、1963年5月には、アフリカ訪問の短い旅行をしました。その時には疲労のしるしがはっきりと見えていました。これが彼女の最後の旅行となったのです。
コンゴ、カタンガ州の会員はキンシャサとの連絡が途絶え、ゲリラ戦のまっただなかに残されていました。彼女たちは、訪問宣教をはじめどのような形態であっても、使徒職を中断しなければならない状態になり、戦争で家も壊され、その上あちこちへ逃げ場を探さなくてはなりませんでした。
最初はガンドのカリタス会の修道女たちのところ、それから、コンゴ大企業「ユニオン・ミニエール社」が設置した仮宿泊所に行っていた会員のもとに、総長代理シスターイグナチア・バッラが危険を冒しながら到着しました。彼女たちはみな、そこにとどまり、事態が安定した時に書院を開設しました。
このニュースを受けたシスターテクラ・メルロは、安心し、彼女もコンゴに行くことに決め、1963年5月8日に出発し17日に帰国しました。これが彼女の最後の国外旅行となりました。
彼女は、たくさんの災害、スーザの小さな印刷所の火事、戦時中に総本部近くに落ちた爆弾、中国で戦争に巻きこまれたシスターたち、フィリピンでの侵略のただなかにあったシスターたち、アルゼンチンのクーデターにあるシスターたち、そのような出来事を自分も体験し、そのただ中に生きた会員たちをも励ましてきました。
今回の彼女の旅は、このアフリカの会員たちの訪問、書院で使徒職をしている会員の状況をみるために行った旅行、そして、これが、シスターテクラ・メルロの最後の訪問だったのです。
◆10-1 最後の旅