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新世紀ルーツへの巡礼

目次

新しい時代:刷新の歩み

1) 新しい会憲 特別総会後に

会憲

特別総会後1972年に総会の実りである「会憲と指導書」が作られ、全会員に配られました。会憲は聖書や教会文書引用と創立者のカリスマ的洞察がどこにでも見いだせる豊かなもの、指導書は毎日の具体的な生活に会憲を適応するものです。

総長シスターイグナチア・バッラは「総会委員はアルベリオーネ神父とシスターテクラメルロに絶対的に忠実であろうと心を砕きながらこの任務に注意を集中してきました。お2人は天からこの会憲を祝福してくださるでしょう」と言っています。

この会憲は、全会員への意見調査、総会の準備議案作成、そして作成された「教令草案」を祈り、黙想し、検討され、それらを総会で再検討し、総会で選出された会憲編纂委員会に委ねられ、この委員会がまとめたものを総統治に提出し、そこで承認を受けたものです。

この会憲は、次の総会まで全会員が生活の中で守り、使徒活動を方向づける修道会の唯一の法となりました。「会憲はキリストに従うためのすぐれた道であり、会憲が想起させる基本的な福音を日々生きることになると総長は会員に書き送っています。

彼女は、この会憲は、新しい形で書かれているが、創立者の遺産であるパウロ的精神はなにも失われていないこと、会憲全文を通じて打ち出されているのは、召命は強制ではなく、自由・信仰・愛においてなされる神への全面的な自己贈与であり、会憲はこの道に私たちを導いてくれるものであり、個人の責任がある」と言っています。

各国ではすぐにこの会憲の翻訳にあたり、全会員に配布しました。

この会憲を生きる次期総会までの間、試みの期間と呼ばれました。この期間は次期総会を越え、その次の総会1983年まで続き、3つの時期に分けることができます。

第1期は1971年(特別総会)から1977年(第4回総会)までで、異議の申し立てと多くの会員の修道会退会という特徴をもった時、第2期は1977年の第4回総会で現実をより深く自覚する時、第3期は1978年から1983年でもっと深く研究したいとの希望が見えた時期です。

第1期、この時期は変動の20年間のはじまりでです。教会での特別な出来事、第2バチカン公会議(1962-1965年)があり、修道会では、シスターテクラ・メルロの死(1964年)、教会の招きによる特別総会(1969-1971年)、1971年には、創立者ヤコブ・アルベリオーネ師の死を迎えます。

これらの出来事を体験した修道会の歩みは不確かで、均衡のとれない状態が続いていました。
個々人やグループのイニシアティブが、新しく出された規則よりも強く、反対姿勢、分裂などの動きに影響され、規範となるテキストの吸収、消化は難しくなっていました。共同体は、度々異なる傾向の間に起こる緊張感の中にありました。修道会を去る会員も後をたたず、1972年には最多を記録しています。

創立者のカリスマを研究しつつ、総会は修道会の固有の使命は、「社会的コミュニケーション手段による福音宣教と、その正しい使用のための教育」であると、より明確に表現しました。
世界各国で、種々の専門家教育をほどこすという努力も見られました。

また、この時期に修道会が心したことは、基礎教養を高めるための大きな努力です。国々の一般教養のレベルは高くなっているため、使徒職をよりよく果たすためのレベルアップです。多くの会員が修道会内外で勉学に励みました。

修道会の責任のあり方、運営のあり方も1人のリーダーシップでということから会員の参加を求めるあり方へ変化し、共同責任が求められ、各レベルの統治で意見聴取が促進されました。

◆11-新しい時代:刷新の歩み