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新世紀ルーツへの巡礼
新しい時代:刷新の歩み
霊性センターの設立 5
ロアッタ神父とのインタビューの続き5をお伝えします。
聞き手:女子パウロ会 シスター
語り手:ロアッタ神父
女子パウロ会 シスター:
霊性の大会はパウロ会士のためですか。
ロアッタ神父:
パウロ会士のため……パウロ家族のためだ。講師のなかにはパウロ家族以外の人もいる。
参加するのは、各国で、霊性面で働いていたり、説教活動しているパウロ会士だ。
女子パウロ会 シスター:
パオリーネたちは……?
ロアッタ神父:
何人か代表として出席するが、数は少い。
女子パウロ会 シスター:
何日間ですか、大会の期間は。
ロアッタ神父:
10日間。
できるだけ深いところまで堀り下げたい、と思っている。テーマは、もう、こうしてプリントされている。
①アルベリオーネ神父の事業の社会・文化的背景。
背景がわからないと、何もわからなくなる。
②アルベリオーネ神父、創立者、その特徴。
③アルベリオーネ神父全集、どのテーマについて研究していく必要があるか。読み解釈する方法論の提示。これはアンジェロ・コラクライ神父が扱う。
④アルベリオーネ神父の聖書の読み、彼はどのように聖書を読んだか。これはカスタニェーダ神父が扱う。
ここまでが導入の部分だ。
女子パウロ会 シスター:
彼がどのように聖書を読んだか、というのは、彼のカリスマ的読みということですか。
ロアッタ神父:
そうだ。聖書を釈義的に読む人もいるし、ただ読んでおしまいという人もいる。説教に使う人、道徳書として読む人……いろいろだ。聖書へのアプローチの仕方だ。
それから、中心部に入って、テーマの展開がある。
①アルベリオーネ神父が残したキリスト論とパウロ家族が試みるアプローチ。
彼はキリストについて何か残した。彼の見方、提示の仕方には独特のものがある。これに対して私たちはどんなアプローチをしてきたか。
つぎに、ブラジルのドン・アントニオ・ダ・シルヴァの提示だ。
②アルベリオーネ神父の考えと霊性の源泉は何だったか。どこから出発したか。彼にヒントを与えた人がいたか。
カノニコ・キエザがアルベリオーネ神父に及ぼした影響はとても大きい。そこで、つぎに勉強するのが、
③カノニコ・フランチェスコ・キエザの神学的遺産。
④知性・意志・心というとき、全人間というとき、何を意味していたか。通常、人間の二つの能力として、知性と意志が挙げられる。ところが彼は、知性・意志・心という。このテーマを扱う必要がある。
それから、聖書の分析をする。聖書で「私は道・真理・いのちである」と読むとき、どう理解する必要があるのか。ドン・アルベリオーネはどう解釈するのか。聖書では別の意味なのか。ここでは、グレゴリアン大学の教授でベネディクト会の司祭が話すことになっている。
それから、ドン・アルベリオーネが、あるときから、「聖パウロは、キリストご自身が道・真理・生命と自己定義された、そのキリスト全体を提示する」という。聖パウロを全部読んでみても、道・真理・生命といっているキリストは見つからない。そこでヨハネ福音のこの箇所とパウロのキリスト論には接点があるか、というテーマが出た。筋がわかるかな……?
女子パウロ会 シスター:
これはどなたが話されるのですか。
ロアッタ神父:
ジルランダ神父。彼はうちの聖書専門家だ。とても優秀な人だ。
女子パウロ会 シスター:
この方はパウロの専門家ですか。
ロアッタ神父:
そうだ。論文はパウロの回心だった。それから、ブルーノ・フォルテ神父がいる。ナポリ大学神学部の教授で司祭だ。この人はひじょうに優秀な人で、本をいくつか書いていて、しかも、何か国語にも訳されている。「道・真理・生命であるキリスト」の神学をテーマに話すことになっている。
中心のテーマは以上のようなものだが、私たちが大いに深める必要があるところだ。
そして、第3部は、「結び」と「これからの課題」ということだ。カッロ・ムナリという神学者が、まとめとして、「パウロ家族の霊性を、今日、どう定義するか」「その展望」について扱う。
それから、黙想会の歩みや祈りのなかでの道・真理・生命という方法論がとりあげられる。最後に、教会とパウロ家族にどのように提示していくか、ということがある。
これが私たちの企画の内容だ。来年は大きな仕事がある。どう展開していくかは未知数だが、一歩前進であることは確かだ。
この時の国際霊性大会には、日本からはバラルド神父が参加しました。
その後、世界レベルで、そして、日本でも微力ながらも聖師イエスについての研究が行われるようになりました。
パウロ家族のメンバーの学位・修士・博士論文でもこのテーマが取り上げられるようになりましたが、その研修、深めはまだまだと言えるでしょう。
聖パウロ女子修道会でも国際レベルでの研修会が行われ多くの会員が参加し、日本からも数回にわたって参加しています。参加者は自国に帰り、どのような事が行われ、深められたのかなどを分かち合いました。しかし師イエスについてはまだ会員の心にまではしみ通っていません。
教皇ヨハネ・パウロ2世の数々の回勅も、このテーマを深めていくきかっけとなっています。
東洋からの貢献、ことにタオについての研究も行われはじめましたが、これかれも続けられていく必要があると感じられています。
次回から師イエズス修道女会に創立者が託した聖師イエス聖堂について紹介していきたいと思います。
◆11-新しい時代:刷新の歩み