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聖書を読もう!
聖書各書のミニ知識
コヘレトの言葉(伝道の書)
この書は紀元前3世紀頃に書かれたもので、知恵文学中一番短いものです。また知恵文学では重要な位置を占めている書です。「コヘレト」とはヘブライ語で、語りかけるために「集会を集める人」という意味をさすということです。
この書の著者は、長いこと一人の著者「ソロモン」によって書かれたと考えられてきましたが、ずーと後代になって、おそらくバビロン捕囚後、紀元前250 年頃、無名の著者によって書かれたと言われています。著者が偉大な王ソロモンの名を借り、著書に信頼と権威を与えたと考えられています。
『コヘレトの言葉』は、「なんという空しさ なんという空しさ、すべては空しい」と出だしにあるように、人生の虚無的な面を説いていると同時に、楽観主義に通じる道も示しています。人生のむなしさの奥には、神の支配があると教えています。この書に流れている主な教えは、神、人間、知恵、一切は空であるということに要約できます。イエス・キリスト前の世界にあって、『コヘレトの言葉』に書かれている人生の処世術は、現実的、健康的、分をわきまえたものと言えます。
コヘレトの言葉 区分と内容
表題 | 1.1 | |
前書き | 1.2~11 | すべては空しい |
第1の展開 | 1.12~3.15 | 人生探求とその帰結 人間の努力は空しい 知恵や知識に対して 快楽について 知者も愚者も死は同じ 実践的常識 人生の変遷 神のもとにある人間 |
第2の展開 | 3.16~5.19 | 社会の不秩序 人間苦 神への畏敬 |
第3の展開 | 6.1~8.8 | 富と運命について 人の欲望はきりがなく、空しい 賢明で正直な人間をたたえる |
第4の展開 | 8.10~9章 | 善人と悪人の不公平 人間の究極目的はあきらかではない 知恵者への称賛 |
第5の展開 | 10章 | 知恵者と愚者、怠惰な者 |
第6の展開 | 11章 | 実践的な結びの言葉 |
結論 | 12.1~8 | 若いときに神から賜った賜をうけいれるように やがてすべては空しいという時がくる |
編者の言葉 | 12.9~14 | 以上を学んで神を畏れる |
参照: 詩編 39、40、49、60、88、90、ヨブ記