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聖書各書のミニ知識
ガラテヤの信徒への手紙
「ガラテヤの信徒への手紙」の名のとおり、ガラテヤへの諸教会にあてて書かれました。この手紙は53年頃エフェゾにて書かれたものです。
ガラテヤは都会の名前ではなく、ローマ帝国の領土の行政区の名です。紀元前3世紀頃小アジアにガリア人(ケルト人)が小アジアの中央北部に定住しました。その地域はガラテヤと呼ばれました。やがてローマ皇帝アウグストゥスは、ガラテヤにアンティオキア、リストラ、イコニオン、デルベなどを加えてガラテヤ州としました。
第1、第2宣教旅行の際に、聖パウロはガラチア人に福音を説きました。ガラチア人は寛大に答え、彼の活動は大きな実を結んだのでした。
しかし、パウロがこの地を去った後、エルサレムから来たユダヤ教からのキリスト者と名乗る人たちは、福音とともにモイゼの律法を守らなければならないと説いたのでした。
エフェゾ滞在中にこのことを知ったパウロは、正道へと彼らをよびもどすべく手紙を書きました。この手紙は「戦いの書」とも言われるほど論争的な文書でなっています。
前文と後文を別にして、パウロは、手紙で自分の使徒職を弁護、確認し、永遠の救いのためにこれを勧め、その後、悪をさけるための注意と訓戒があります。
この手紙にはパウロの強い性格が表われています。かれはガラチア人の不堅忍を叱責し、自分の教えが、使徒たちの教えであることを証明しています。
パウロは、なぜ教えられたことを疑うのか、福音とは何か、イエス・キリストの福音を受け入れるには何を信じなにを守るべきなのかなど、キリスト教の根本的な問題を考えさせています。
パウロは福音をイエス・キリストご自身から受け、それは使徒たちによって行われたエルザレムの公会議で承認されました。
パウロは、ユデア人のつまずきを恐れて事実上自分の説くところと相反して行なっているペトロ自身をけん責しています。
イエス・キリストにおいてヘブライ人も異邦人も区別なく、だれでもアブラハムに約束された祝福を受けること、ただ愛において働く信仰のみに価値あることを説きます。互いに愛し合うこと、「隣人を自分のように愛する」こと、肉のわざを避け、霊のわざとその実りを求めることなどを述べています。
ガラテヤの信徒への手紙の構造と内容
序文 1.1~10 |
第1部:使徒職の問題/パウロの使徒職の根拠について 1.11~2.21 |
第2部:神学上の問題/神の救いのご計画 3.1~4.31 |
第3部:倫理上の問題 5.1~6.10 |
結び 6.11~18 |
1)あいさつ (1.1~5) |
1)福音はキリストの啓示による (1.11~24) |
1)律法か信仰か。義とされるのは信仰による (3.1~14) |
1)キリスト者の自由 (5.1~12) |
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2)福音を離れるのをいましめる (1.6~10) |
2)使徒たちパウロを認める (2.1~11) |
2)約束と律法 (3.15~22) |
2)自由、愛、霊 (5.13~26) |
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3)福音の真理の神髄 (2.12~21) |
3)キリストの信仰の前とキリストへの信仰の時代 (3.23~4.11) |
3)信仰の仲間に対しての行いについて (6.1~10) |
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4)ガラテヤ人へのパウロの関心 (4.12~20) |
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5)奴隷の子と自由の子のたとえ (4.21~31) |