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聖書を読もう!

聖書各書のミニ知識

ヨハネの黙示録

『ヨハネの黙示録』は、聖書の最後の書です。旧約聖書のダニエル書と同様、『ヨハネの黙示』は黙示文学という文学類型に入ります。黙示文学は、イスラエルの民のバビロン補囚以後、ヘレニズム時代に入ってからユダヤ教において成立をみた独特な文学類型です。預言は神の言葉を聞くということですが、「黙示」は、神による幻を見ることに集中し、「黙示」は、本来、この世に隠されている神の言葉を業が人々に明らかに示されることなので、その意味においては啓示と言えます。

また、預言は人への神の審判を強調し、回心を求めていますが、「黙示」では、危機の解放や救いを説いて、忍耐や希望の心を持つようにと勧めます。

『ヨハネの黙示録』が『ダニエル書』と共通の点をもっているのは、両方とも迫害の時に書かれたことです。

『ヨハネの黙示録』意外に新約聖書においては、小黙示録と呼ばれる「マルコによる福音書」13章やいくつかの小黙示録を見いだすことができますが、『ヨハネの黙示録』だけが一つにまとまった書です。

『ヨハネの黙示録』は、「イエス・キリストの黙示」とはじまりますが、これはこの書の表題のようなものです。しかし、これは著者によるものではなく、後世に写本家が便宜上つけたものです。イエス・キリスト「の」は、黙示の中心がイエス・キリストであり、同時に黙示される者でもあるのです。

この書の著者は、自らを「ヨハネ」と称している幻の見手であり、預言者です。使用されている文体、思想、用語などから、ユダヤ人キリスト者、使徒後の時代における教会の有力な指導者の一人と分かります。このヨハネは使徒ヨハネと2世紀までの伝承は伝えていますが、その後この節には疑問がもたれるようになり、議論されています。

書かれた時と目的:4章以下の内容から推定すると、ローマ皇帝第11代ドミティアヌズ皇帝の治世(81~96年頃)の末期、ローマ皇帝によるキリスト教に対しての大迫害という状況下に書かれたと言えます。ローマ皇帝はこの書においてダニエル書と同じように、「角」とか「獣」と呼ばれています。この迫害の下にある教会に対して著者はキリストの証人として、信仰に毅然として生き抜くべきこと、招かれたキリスト者が共に住む天井の教会を指し示し、新しいエルサレムへの希望を与えることを目的としています。

書かれた場所:『ヨハネの黙示録』の著者は、その黙示をエーゲ海上の小群島の一つであるパトモス島で受けたと言っています。そのため、書かれた場所はパトモス島か小アジアの町エフェゾであると考えられています。

この書の受取人:「あなたの見ていることを巻物に書いて、エフェソ、スミルナ、ペルガモン、ティアティラ、サルディス、フィラデルフィア、ラオディキアの七つの教会に送れ」とあるように、小アジアの7つの教会にあてられたものです。それらの手紙は各教会の現状を描き、各教会への厳しい批判が述べられています。また、迫害の下にあっても信仰を守り、忍耐と愛のうちに生きる教会には称賛と慰めの言葉を、迫害にあって動揺し、生ぬるい生活を送っている教会には悔い改めと正しい信仰の目覚めと警告を送っています。

7つの教会というのは、ここにあげられている教会だけとして受け取るとこの書を小さいものにしてしまうでしょう。むしろ、「七」という数字を完全数の象徴として受け止めるなら、キリスト教全体をさしていると言えます。

ヨハネの黙示録 の構造と内容

ヨハネの黙示は、旧約聖書をキリストの光に照らして読み直した書と言われます。この書の構成は、非常に変化に富む伝承資料をもとに、すぐれた構成のもとに組織的に整えられています。黙示書は豊かな象徴語句が用いられていますので、より深く理解し、学んでいくためには参考書を利用されると助けになると思います。また、ダニエル書やゼカリア書をこの機会に読まれることをもお勧めします。

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序(1.1~8)  
タイトル 1.1~3
開始の祭儀 1.4~8
第一部:司牧部分 七つの教会へのメッセージ(1・9~3・22)  
復活したキリストとの新しい出会い 1.9~20
エフェソの教会への手紙 2.1~7
スミルナの教会への手紙 2.8~11
ペルガモンの教会への手紙 2.12~17
ティアティラの教会への手紙 2.18~29
サルディスの教会への手紙 3.1~6
フィラデルフィアの教会への手紙 3.7~13
ラオディキアのの教会への手紙 3.14~22
第二部 歴史の預言的解釈(4.1~22.5)  
第一段:玉座と巻物と小羊 4.1~5.14
第二段:七つの封印の部 歴史の意味が少しずつ啓示される 6~7章
第三段:七つのラッパの部 救いの歴史は進展し始める 8.1~11.14
第四段:三つのしるし 11.15~16.16
第五段:救いの歴史の結論 16.17~22.5
結び(22・6~21)  
結びの典礼的対話 22.6~21

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