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聖書を読もう!

聖書各書のミニ知識

シラ書 について

一般的に「ベン・シラの知恵」「集会の書」と呼ばれる知恵文学です。カトリック教会では「聖典」として認められていますが、共同訳においては、旧約聖書続編に属する書です。ヘブライ語で書かれた原文は長いこと失われていましたが、近年になってその3分の2が発見されました。「シラ書」がこの世にあらわれたのは、紀元前2世紀です。

エジプトのセレウコス王朝の時、さまざまな民族、文化、宗教的な諸問題を抱えており、それに調和をあたえるためにギリシャ化(ヘレニズム化)の政策が取り入れられました。神について、人間についてなど伝統的なユダヤ教と相反するものであったので、この政策はイスラエルの民にとり一つの強制、抑圧でした。この政策に対してイスラエルの中には二つのながれがありました。一つは進歩的な姿勢でこれに対処するもので、それには「知恵の書」があります。もう一つは伝統的な立場で受け止めるもので、それはこの「シラ書」です。

「シラ書」は、新しく起こっている事柄を伝統的な考えから見いだし、その伝統的な教えを守っていこうとするものです。

シラの子イエス(ヨシュア)と呼ばれる著者が、イスラエルの伝統的な教え、律法を尊重し守っていく大切さを51章にも及ぶ長さで、詩や格言の形式を用いて書き、イスラエルの民にユダヤ教の本質的な教えを呼びかけていったのでした。

シラ書の中心思想は「知恵」そのものであり、いろいろな中でそれを描写しています。それは、イスラエルの民の教育、知識を深め、諭すためでした。知恵の概念、知恵の奥義、知恵と人間、律法、知恵のもたらす恵み、知恵のはじめと完成、来栖での報いなどがみごとに書かれています。

シラ書の構造と内容
序言
1~31
第1部:格言集
1.1~42.14
第2部:神の偉大さ
42.15~50.29
付録
51.1~30
1)知恵の本姓
(1.1~16.23)
1)自然界における神の偉大さ
(42.15~43.33)
1)シラの子イエスの祈り
(51.1~12)
2)神とその被造物
(16.24~23.27)
2)歴史における神の偉大さ
(44.1~50.29)
2)知恵を求めて
(51.13~30)
3)知恵と律法
(24.1~32.13)
4)知恵と律法
(32.14~42.14)

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