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新世紀ルーツへの巡礼
使命への準備へ
社会問題を福音の光で
photo by:Masatami Namura
アルベリオーネ神父は、神学生の間も、また、司祭になってからも、時の教皇の勧めに従い、社会問題に関心を寄せ、その研究大会にしばしば参加し、社会事業の組織づくりに協力し、*1カトリック・アクションの活動家と交際していました。
1874年10月以来、イタリアではカトリック信徒が、選挙したり、立候補することなど、政治活動に参加することは禁じられていました。教皇ピオ10世(1903年-1914年)は、カトリック信徒の総選挙参加を、司教たちの自由裁量に委ねました。
教皇ピオ10世といえば、今から8代前の教皇で、グレゴリオ聖歌を模範として教会音楽を改めるように奨励した教皇です。
アルベリオーネ神父とカノニコ・キエザ神父は、1911年から14年の間、教皇ピオ10世とアルバの司教の指針にそって、アルバ地方の村々を回って、*1人民同盟について講演し、社会問題を福音の教えに照らして解決の道を示していました。
アルベリオーネ神父は、神学生にも社会問題について講話するように提案し、授業の中でも歴史の時間には、社会問題についての情報を提供していました。また、教区に社会週間を企画して、社会問題に関心をもつように、力を入れていました。
「社会学の講演会、神学生時代とそれに続く時代に行った社会学の研究、上司のはからいによって参加した社会問題に関するかずかずの集会、社会事業団やその活動への協力、カトリック・アクションの活動家と関係を持ったこと」は、アルベリオーネ神父にとって神の「摂理」としての長い準備期間だったといえます。
- *1 カトリック・アクション
- 信徒が時代の要請によって、教会のために社会で果たす組織化された使徒職。信徒による使徒職は、教会の誕生とともにはじまっていますが、19世紀後半からは「カトリック・アクション」と呼ばれる組織的使徒職が生まれました。信心業の公の実践、愛の相互援助、教会の教えを広めることなどが勧められていました。教皇ピオ10世は、カトリック・アクションについて回勅を出し、信徒が教会の使徒職に参加する重要性を強調しています。次の教皇、ピオ11世は、信徒が組織的に団結することを望んでいました。
- *1 人民同盟
- 人民同盟(Unione popolare) は、イタリアのカトリック信徒の間に生まれた組合。カトリック信徒の主要な組織が、ピオ10世によって解散させられてから、すべてのカトリック者を教義、プロパガンダ(宣伝)、社会組織の唯一のセンターとして併合させようという目的で生まれた。
- すべては使命に向けて方向づけられて
- → 人は自分の召命に従わなければならない
- 社会問題を福音の光で
- 社会情勢
- 今日のメディアを使っての福音宣教の必要性
- 蒔かれた一粒のシード
- → モレッタの聖母の記念聖堂
注釈:
◆1--4 使命への準備