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新世紀ルーツへの巡礼
全世界に行きなさい
1) すべての人に福音を……
「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい」(マルコ 16.15)とのイエスのご命令を心にいだき、「全世界へ」、「すべての人へ」というビジョンのもと、アルベリオーネ神父の目は世界へと向けられていました。
ローマの次は……? いよいよ外国へ派遣される時がきたのです。アルベリオーネ神父は、弟子たちを外国へ派遣することに決めました。
「聖書は、あらゆる必要とあらゆるカテゴリーの人、あらゆる活動に適応できます。その使命が、私たちにあります。私たちの使命は 全世界にまたがるほど広く、その対象となるのは地球上のすべての人々です」とアルベリオーネ神父は語っています。
かつて使徒パウロが当時の世界を旅行して歩いたように、彼の子どもたちであるパウロの息子、娘たちも 全世界に福音をのべ伝える旅行者であるようにと、願っていました。
神は、アルベリオーネ神父の中に、全世界というビジョンの一粒のシードを、子ども時代にすでに蒔かれていました。
彼は、子どもの時から宣教会から出された宣教誌を愛読し、そこから影響を受けていました。彼の霊的手記には、当時を回想してこう書かれています。
発展力はカトリック精神と、「諸国に行って福音を宣べなさい」(マタイ 16.15 参照)との神の派遣の命令から生まれるもので、堅信のときに注がれ、叙階において成長する。 聖パウロは、偉大な旅行者である。
8歳のとき、サンタ・インファンツィア(聖なる少年期という意味)という運動を知り、その事業に積極的に参加するように勧められた。この会は毎年ご公現の日に 宣教のために献金し、祈る運動を少年たちの間に広めていた。12歳から16歳まで、ほとんど毎日のように信仰公布の年鑑や サンタ・インファンツィアの年鑑を読んでいた。さらにそのころは、サレジオ会、白衣の神父たち、コンソラータ会 、ミラノの宣教会などの宣教誌を愛読した。
高等中学校の2年生の時、信仰公布会とサンタ・インファンツィアに入会金を支払って会員となった。偉大な宣教師たちの伝記を多く読んだが、これらの読書から深い感銘を受けた。司祭になってからは、宣教のための献金を集め、宣教者の召命のために協力し、特別の機会に宣教について説教し、洗礼を受けていない人たちへの福音宣布という すばらしい事業に従事している人びとと 協議するなどのことをしなければならなかった。
アジアとアフリカが、特に彼の心を打った。人は自分から離脱すればするほど、イエス・キリストが人類にもたらされた天の賜物を、いまだに手にいれていない気の毒な人びとが必要としていることを広く深く感じるものである。そしてこの気持ちは、主との親しみに深く入っていくほど、いきいきとしてくるのだ。
アルベリオーネ神父の霊的手記より
ティト・アルマーニ神父は、アルベリオーネ神父が修道会のはじめから修道会の発展がイタリアだけに限らず、全世界に広がると話しておられたと証言しています。
「マッツィーニ通りの仮の聖堂で、アルベリオーネ神父が講話をされた時、世界と教会に対しての私たちの使命について 広大なビジョンをもっておられました。彼の言葉は私たちを照らし、興奮させました。
もし私たちが世界への発展をこの目で証言できたら、どんなに幸せでしょうか、と言うと、彼は『Si、si(はい)……あなたたちはそれを見ますよ』と言われました。そして、実際に私たちはそれを見ました」と。
ラテン・アメリカへ
1931年8月、聖パウロ修道会の息子たちは ラテン・アメリカに向かうため、ジェノバ港から出港しました。
最初に出発したのは、ブラジルに派遣されたサヴェリオ・ボアノ神父と セバスチアーノ・トロッソ神父でした。
アルベリオーネ神父は、彼らに一つの手紙をしたためましたが、この手紙は、イタリアにせよ、外国にせよ、支部設立の一つの規則となりました。
彼らは、8月20日、ブラジルのサンパウロに到着しました。この日は、修道会創立17年の記念日でした。
同じ1931年9月には、セバスチアーノ・トロッソ神父が南米で一番大きな都市、アルゼンチンのブエノスアイレスに、ピエトロ・ボッラーノ神父がアメリカ合衆国に、派遣されました。
彼らは これから新しい言葉、慣習、大きな犠牲、理解されない使徒職……まさに、これらは修道会創立の時と同様、「馬ぶねから」、ベツレヘムからの出発でした。そして、これらすべてがパウロ家族の旅、教会の新しいページ、歴史を刻むことになります。
◆2--12 全世界に行きなさい