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新世紀ルーツへの巡礼

目次

創立者アルベリオーネ神父の第一回目の来日

4) 日本についてのレポートから

アルベリオーネ神父は、他の国々について行ったと同様に、日本の訪問を終えてのち、兄弟たちに日本についての報告を行っています。

文化放送にて創立者とマルチェリーノ神父
文化放送にて創立者とマルチェリーノ神父

私たちの中で日本の修道院は最も遠い修道院、しかし本当の修道院です。これまで170種の出版物があり、どれもえりすぐれたものであり、他の出版社のそれらとは一味違うものです。

この国も中国に対して戦争をおこし、また第二次世界大戦をとおして8、9年間戦い、ここでも使徒職は縮小と中断を余儀なくされました。

しかし、現在はいきいきと再開され、パガニーニ神父にゆだねられています。彼らも家庭のために雑誌を刊行しており、キリスト者間のみならず他宗教(仏教、神道など)の人びとのあいだにも広く浸透しています。

1934 年のプロパガンダフィーデ(福音宣教省)に所属している宗教団体は、2千3百のカトリック信徒に対して543でした。宣教師たちは1万6千人、そのうちイタリア人は11%、自国の司祭7千人、外国の修道士8,200人、外国人修道女4万人、自国の修道女2万人でした。

日本には宣教師500人、自国の司祭180人、カトリック学校、他の学校、カトリックの諸団体、神学校、修練院、修道召命の家、修道女、カテキスタたちがいます。カトリック信徒は12万で、戦後宗教の自由が認められてその回宗の働きはきわだっています。

バチカンは、ますます自国の聖職者を育てることに促しています。日本は特に日本人をとおして救われるように。しかし、日本人の使徒たちを養成するためには、ヨーロッパかアメリカなどから人が行かなければならないのです。

会員たちはいゆる一般に使われている意味での文字どおりの「宣教師」ではないし、宣教師固有の働きを通常果たすことができません。しかし、より迅速でかつ効果的手段を用いてキリスト教の教え(教義、倫理、典礼)を広めるのが聖パウロ会会員であり、イタリア、アメリカ、その他のどこの国でもそれを行っています。

宣教の地にあってその固有の場所、時、人を対象としながらも、使徒職の手段、生計、使徒職そのものは本部のイタリアでなされているものと同じです。会員たちはこれをよく理解しているし、愛と堅忍をもって出版使徒職への愛をもって目的を遂行しています。彼らは多くの出版物を発行しており、またよく普及されています。ラジオ放送のための立派な建物を建設しており、映画の使徒職のための組織だった機構もあります。

聖パウロ修道会のこの形態の使徒職は、今日この国にとって最も必要です。迅速で効果的手段をもってキリスト教的な考え方、いやカトリックに近いメンタリティーを養っていく事が必要です。

……物質主義が日常生活を支配していますが、魂の奥底でこの国の人びとはカトリックだけが満たすことのできる渇きと感受性を持っています。彼らは働き者で、道徳的、几帳面、そして訓練のゆきとどいた人びとです。

ラジオの使徒職については、落成式の日に準備された言葉によって報道されるでしょう。
 以下はその言葉です。

この日本の地と国民の皆様へ健康と祝福と平和がありますように。
15年間、この地においてご厚情を賜っております聖パウロ修道会は全国にむけて話ができるこの新しく感嘆すべき手段を持って、諸修道会の長上方、政治家、軍部と市民のすべての皆さまに尊敬と感謝の意を表明できますことを心から喜んでおります。

カトリック信徒はみな東洋を愛しております。使徒たる者はみな東洋に想いを馳せております。少なくとも祈りの中に東洋を理解しようと心を広げている者です。聖フランシスコ・ザビエルは来日しましたし、栄えある殉教者たちは彼らの流血によって種を豊かに実らせました。

人間の推移を越えて教会は、国民の熱意、道徳、勤勉、秩序のゆえにみなに評価されているこの国を信頼しています。

聖パウロ修道会は偉大な使徒の精神によって善をめざして最も迅速で効果的な手段を使用します。出版についで映画、ラジオの手段を利用します。
本会はつねに「神の栄光と人びとの平和」のみを追求し、人びとの善のほかには何も望んでおりません。

このラジオ番組による報道の計画は、聖パウロのフィリピ人への手紙に記されています。「兄弟たち、すべて真実なこと、すべて気高いこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、すべて名誉なことを、また、徳や称賛に値することがあれば、それを心に留めなさい。」

そしてこれがますます広く報道されますようにご好意をもって耳を傾けてくださいますようにお願いいたします。また、このラジオのために知的な働きをする人びとの上に、そして新しい建物と現代的な設備の上にさらにすべての聴衆の上に、神の祝福を祈り求め心からのお祝いを申しあげます。

選ばれた人びとの委員会は、社会的地位や技術的権威をもって働いています。大きな喜びをもって彼らに私の感謝を表明し、すべてのパウロ会員、特に総本部の祈りを約束しました。

国際的な書院

最近聖パウロ修道会は、重要な一歩を踏みだしました。それは最もよい場所に書院を持っていることです。この場所は街の中心で、カトリック大学と大司教区の主要な事務所のあるところです。

修道院は日本の大部分の建物と同じく木造ですが、セメント造りの立派な倉庫があり、これは交通の便利なところに位置しています。日本の首都東京にふさわしく、書籍のかなり大きな展示と普及センターと事務所に適しています。東京の現在の人口は500万(戦前は700万)を数え、発展の途上にあります。聖パウロ修道会にとってこれらは品格のあるもので日々、ますます評価を得ています。

兄弟たちはますますふさわしいやり方で書院の使徒職を果たし、すでに全国的に秩序だててかなり普及されています。聖パウロが書院をつねにますます保護してくださいますように。

◆6--4 創立者アルベリオーネ神父の第一回目の来日


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