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聖書各書のミニ知識
コリントの信徒への手紙 二
「コリントへの信徒への手紙2」の手紙は、パウロがマケドニアで書いたと言われています(8.2~参照)。パウロは第3宣教旅行でマケドニア経由でコリントを訪れる予定にしていましたが、そこでチトからコリント教会のニュースがもたらされ、手紙をしたためました。つまり、この書簡は、特別な事情に対応するために書かれたものです。
書かれた時期は、いくつかの説がありますが、使徒言行録20~23章に書かれているエルサレム旅行と、そこでの入獄の年の終わり頃と言われています。
パウロはコリントへの信徒へあてた前の手紙がよい結果をえたことをチトから聞き、知りました。実際、コリント人がパウロを非常に愛していること、また先の手紙を快く受け入れたことを知らせています。
それでも、コリントの教会のある人々はパウロが不堅忍で野心に富み、使徒の名誉を侵害していると訴えていました。
パウロは自分の行動と役務を弁明することもさながら、個人攻撃以上に彼が気がかりであったのは、偽せ教師たちによってコリントの教会に誤謬と悪の力がはびこることでした。そこでこの第2の手紙をしたためたのです。
そのようなコンテキストから、この手紙の大部分は、パウロ自身の誠実さ、使徒職の弁護となっています。偽せ教師への対応から私たちが学べることは、キリスト教信仰の根本的真理についての教えです。
この手紙は前文、構文を別にして3部に分けることができます。
1) 間接的自己弁護
2) エルサレム教会のための募金
3) 偽せ教師、敵対者との対決
パウロは、自分が真実であったこと、彼が書いたことと言うことは矛盾しないこと強調します。パウロが述べることは、約束が必ず実現することを承認することです。パウロが宣教したのは福音です。
パウロは、ごうまんだと言われたことに対して自己を弁明します。彼は神から受けたものを他人に与えたのです。
キリストの司祭職は、モーセの司祭職にまさります。宣教者は真の使徒として話さねばなりません。どのような使徒も、真の使徒は自分の宣教に矛盾することをいうことはありません。キリストへの愛のため、彼のうちに情熱が燃えるのです。
第2部では、エルサレムの貧しい人の募金について語ります。すでにマケドニアで援助を集めた彼は、コリントの信徒も同じようにするようにさとしています。貧しい人を助ける人は、特別の祝福と恵み、永遠の報いを受けるでしょう。
第3部で、聖パウロは自分の使徒職を弁護します。彼はすべての民族に福音を告げるために神から召されました。彼は使徒の権利を侵害するどころか、かえって神と教会からこれを受けたのです。
自分について、よぎなく語らなければならなくなったパウロは、自分の受けた偉大な使徒職、苦難、迫害を想起し、彼が特別に受けた恩典、収めた業績について思いをはせています。
彼は自分の誇りは「自分の弱さ」であると言います。彼はそれ以外については誇らず、むしろ自分自身を寛大に人々に与えつくし、自への報酬を求めようとはしません。
最後に、パウロはコリントの教会に対するパウロの心遣いをあらわします。彼は、生活の改善を信徒たちに勧め手紙を閉じています。
コリントの信徒への手紙 二 の構造と内容
序文 | 第1部:パウロとコリント教会の関係、パウロの奉仕の本質 | 第2部:エルサレム教会のための募金 | 第3部:敵対者との対立 | 結び |
1.1~11 | 1.12~7.16 | 8.1~9.15 | 10.1~13.10 | 13.11~13 |
・挨拶 ・苦難と感謝 |
1)弁明 (1.12~2.17) ・コリント訪問の延期 ・パウロの不安と安心 |
・自発的な施し ・諸教会からの使者 ・エルサレムの信徒のための献金 |
・パウロの誇り ・偽使徒たち ・使徒としてのパウロの労苦と誇り ・パウロに恵まれた神秘体験(主から示された事) ・コリントの教会に対するパウロの心遣い ・終わりの警告 |
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2)新しい契約とその奉仕者 (3.1~5.10) ・新しい契約の奉仕者 ・土の器に納めた宝 ・信仰に生きる |
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3)使徒の任務 (5.11~7.16) ・和解させる任務 ・生ける神の神殿 ・教会の悔い改めを喜ぶ |