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聖書を読もう!
聖書各書のミニ知識
ヨシュア記
ヨシュア記は、創世記で約束されていた「約束の地」をヨシュアによって手に入れた物語です。この視点から言うと、「モーセ五書」の完結編と言えます。また、歴史書のに属する最初の本に位置づけられています。
カナンの地を得ることが目的なので、この書の前半はカナン征服の話、後半はカナンの地の分配についてです。この地の占領と支配が実行されたのはヨシュアの指導下においてでした。ヨシュアは全イスラエルを率いて行ったのでした。ヨシュアを第2のモーセ、指導者として描くのもこの書のテーマとなっています。
イスラエルの民がヨシュアに率いられてヨルダン川を渡り、約束の地に入ったのは、紀元前13世紀後半と言われています。
ヨシュア記は、いろいろの伝承、文体、文学ジャンルから構成されています。ある人々は、もともと異なった時代に書かれたものを最終的な編集者によってまとめられたものと言います。別の意見では、いろいろの口伝、書かれた伝承に基づいて後代に一人の編者が書き上げたといわれています。いづれにしても、 (1)モーセ五書の4つの伝承による構成説、(2)申命記的編集による構成説の2つがあります。
著者について
著者が誰であるかの特定はできません。しかし、タムルード伝承では、ヨシュア自身を著者としてきましたが、今はこの説は承認されてはいません。
原文について
現代の本文批判研究においては、マソラ本をよりどころとして使用されています。このマソラ本はヨシュア記の最古の形を伝えていると言われています。
文学類型について
ヨシュア記には、歴史物語、地理的な記述、戦記、説教、教訓……などといろいろの内容があります。本書全体をみていくと、そこには一つの歴史的、宗教的な性格が浮かび上がってきます。ここから言えることは、いわゆる厳密な意味での歴史書ではなく、叙事詩として描かれた歴史書、宗教的な視点、黙想からみた歴史書と言えます。
ヨシュア記の構造と内容
序 (1章) |
カナン侵入の約束と準備 | ||
モーセの後継者ヨシュア | |||
約束の地カナン征服 (2~12章) |
中部(2~9章) | ||
1)エリコ攻略 | 2~6章 | ||
2人の斥候をエリコの偵察、遊女ラハブに助けられる | 2章 | ||
流れの止まったヨルダン川を渡る | 3章 | ||
カナン入りの記念碑:12の石 | 4章 | ||
イスラエルの割礼とカナンにおける最初の過越 | 5章 | ||
エリコ陥落 | 6章 | ||
2)アイ攻略 | 7~8章 | ||
アカンの罪のために第1回の戦いに敗北 | 7章 | ||
アイの滅亡、第2回の戦いの勝利 | 8章 | ||
3)ギブオン人の降伏 | 9章 | ||
南部(10章) | 4)5人の王の征服 | 10章 | |
北部(11章) | ハツォルとその同盟国の征服 | 11章 | |
前半のまとめ | 征服された国々のリスト | 12章 | |
カナン分配 (13~21章) |
部族間の土地分割 | ||
ヨルダン川の向こう(東)の部族 | 13章 | ||
ヨルダン川西部の部族 | 14章 | ||
ユダ族 | 15章 | ||
ヨセフの部族 | 16章 | ||
マナセ族 | 17章 | ||
ベニヤミン族 | 18章 | ||
北方6部族(シメオン、ゼブルン、イサカル、アシェル、ナフタリ、ダン族) | 19章 | ||
分散定住した12部族の礼拝所の統一 (22章) |
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結び (23~24章) |
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ヨシュアの遺言 | 告別説教 | 23章 | |
シケムでの契約 | 契約更新 | 24章 | |
結び | ヨシュアの死 | ||
埋葬 | |||
エルアザルの死 |