home > 女子パウロ会とは > 新世紀ルーツへの巡礼 > 3-聖パウロ女子修道会の創立 > 1) 新たな宣教方法:家庭訪問による宣教

新世紀ルーツへの巡礼

目次

使徒職の発展

1) 新たな宣教方法:家庭訪問による宣教

すべての人に聖書のすべてを、との熱い願い」を胸に、パウロ家族のメンバーは、イタリアの各地に、そして世界に広がって行きました。

パウロの娘たちは、さらに確実に聖書を人々に手渡すために、新たな宣教方法に挑戦したのです。今回はその新たな宣教方法をご紹介しましょう。

創立者の目

1929年、個別に家々を訪問するという宣教が、アルバとローマではじめられました。それを「家庭プロパガンダ」、または「家庭宣教」と呼んでいます。

その年、聖ヨハネ・ボスコの列福式と、時の教皇ピオ11世の司祭叙階50周年記念が執り行われましたが、その機会に普及のための新しいイニシアティブが生まれたのです。

普及は、出版使徒職の大切な「時」です。アルベリオーネ神父は、普及は「真理がほんとうに人々の魂に到達するためのチャンネル、師のみ心から人々に真理が到達するチャンネルです」と言っています。普及の方法として、家庭宣教をイエスの方法と、彼は理解したのです。

アルベリオーネ神父は、「家庭宣教」は、イエス・キリストが町々、村々を歩いて宣教されたその継続であり、延長であるとも言っています。

イエスは、一人ひとりにあった方法で宣教されました。

「人々が待っているのではなく、人々の方に出向いていくこと」、「民衆の間に、家々に、個人や家庭を訪ねていくこと」、「イエス・キリストがなさったように、人間一人ひとり、一件一件の家庭そのままを、特に心にかけ、よりよくしていくことです」と言っています。

しかも、教会に奉仕し、信徒たちのもとに聖体を運んだ聖タルチジオ助祭殉教者が、「家庭宣教」の守護者、模範なのです。

イエス・キリストは人々が来るのを待たずに、彼らを探しに行くように教えられました。
 師と同じように、町や村や遠く離れた家々に神のことばを運んでいかなければなりません。
 山を越え、海を渡り、「すべての人を照らすために」すべての人々を訪ねなければなりません。
 一人ひとりに、個々の家庭に、個々の小教区に心を配ります。
 書院を組織し、熱心に働く人々を養成し、あらゆる団体に入っていき、工場主や校長など権威の場にある人々を説得していきます。これはすべて、個人を対象とした働きです。

訪問しているシスターたち
家庭訪問しているシスターたち

●パウロの娘が二人づつのペアで一組となり、家庭を訪問して巡るという形の家庭宣教は、教会からは非常に評価される場合と、批判や非難を受ける場合とがありました。

●この家庭宣教による福音宣教において、あらゆることが彼女たちの身に起こりました。温かく好意的な人々が多かったのですが、時には、そうでない対応を受けることもありました。

●疑い深い主任司祭などは、カバンをもったこの人たちが本物のカトリックの修道女だとは信じてくれずに、ひどい拒絶、強硬な反対、ある時にはパトロール中の警官の疑い深げな目つき……をも受けました。

しかし、このような体験の中で彼女たちを動かしたのは、使徒聖パウロの宣教体験でした。そして、彼女たちはキリストにあやかれることを喜びとして、この宣教にいのちをささげたのでした。

パウロの娘は、どんな場合でもアルベリオーネ神父から教えられたことを信じ、「パウロの娘たちの幸い八か条」の精神で、使徒パウロの言葉(ローマ 10.13~15)を身をもって生きたのでした。

「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。

ところで、信じたことのない方を、どうして呼び求められよう。
聞いたことのない方を、どうして信じられよう。
また、宣べ伝える人がなければ、どうして聞くことができよう。

遣わされないで、どうして宣べ伝えることができよう。
「良い知らせを伝える者の足は、なんと美しいことか」と書いてあるとおりです。

◆2--13 使徒職の発展


▲ページのトップへ