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新世紀ルーツへの巡礼
使徒職の発展
3) 普及センターとしての「書院」
「家庭宣教」という新しい方法で、出かけて行って人々に福音を届けはじめた パウロの娘たちは、今度は、人々を迎え入れるという形での新たな方法を開始します。
やがて、アルベリオーネ神父は、シスター テクラ・メルロに別のもう一歩を踏み出すことを求めました。パウロの娘たちが、イタリアの各地に普及センター、つまり書院を開設するということでした。
批判の嵐が起こることは、容易に考えられました。「修道女が運営する店! 商売をするシスターたち、いったいどういうことになるんだ」と。
シスター テクラ・メルロとシスターたちは、市役所からも県庁からも許可を受け、承認手続きをとり、税も納めて書院を開設していきました。書院の周辺にはパウロの娘たちの小さな共同体が誕生していきました。
最初に支部が開設された時のことです。
「娘たちが修道服を着衣してから3日後、1928年11月1日、夕の祭儀が終わると、夕食前にアルベリオーネ神父は、もう一度娘たちを聖堂に呼び戻し、聖体を顕示してから、出発する5人の修道女に福音書を手渡し、心にしみる言葉を与え、聖体賛美式をもってそのときを結びました。この儀式をもって彼は、支部修道院開設をスタートさせたのでした。」
アルベリオーネ神父は、「教会は神の出版社で、あなた方は家から家に行って人々に神の便りを配っていく郵便配達人です。または、新しい便りを人々に示すために、神の郵便局である書院に待機していて、人々を待っている郵便局員です」とのイメージで娘たちに話されたので、彼女たちはよく自分たちの使命を理解することができました。
一つの都市に落ち着くためには、まず住まいを探し、書院に適した場所を見つけ、見つけたらできるだけ早く開店して書院を知らせる、こうしたすべてが含まれていました。
さらに、司教、小教区の司祭たち……と直接に出会い、この書院のバックになっているのは企業ではなく、小さいながらも修道院であることを説明しながら、理解していただくようにしました。
その後、書院で使徒業に励むと共に、その地域に出張して、町、村、集落を訪問して歩くのです。「歩く聖パウロ」に倣って。
パウロの娘たちにとって、書院での普及は、あの小さな「はじめての書院」にまでさかのぼります。
新しく開かれる書院も、通常とてもつつましいもので、ひとつのカウンター、書架、わずかの本、ご絵、ご像、ロザリオ……などでした。
1929年に、アルベリオーネ神父が書院を訪問した時、その状況を見て、「他のカトリック出版物をさがしなさい。聖パウロの書院は使徒職のセンターなのだから」と言われ、1930~1933年には、書院のアイデンティティーの輪郭が出来ていきました。
私たちの書院は使徒職のセンターです。
看板は福音書と聖パウロの肖像です。
商店ではありません。信徒への奉仕の場です。
売るのではありません。寄付に支えられた使徒職です。
顧客ではなく協力者です。
取り引きの場ではなく、イエス・キリストの光と熱の放射するセンターです。
金儲けをめざしていません。
教会と人々に奉仕することをめざしています。
人々を利用するためではなく、人々に益することをめざしています。
信徒も司祭も、あなた方から、自分の役務のために協力と光と方向づけが得られるのでなければなりません。
代価ではなく寄付なのです。
書院は修道会全体を示すものです。
修道会と人々との出会いの接点です。 パウロ家族の使徒職のすべての制作品が普及され、すべての企画が広がっていくセンターです。
神の出版社です。
書院は神殿です。
書院担当者は説教師です。
そこで追求されるのは、イエス・キリストのうちにある光と聖性と喜びという実です。
カウンターは真理の説教壇です。
また、アルベリオーネ神父は、書院はいつも刷新される必要があることをも言っています。
とくにウィンドーと展示する出版物には、美的面に心を配る必要があります。
見る人が、満足感を味わえるような展示がなされることが大切です。
書院に入ってくる人が、一目で本の分類をざっと把握できるようになっていて、すぐ自分に関心がある本の方に 行くことができるように なっていなければなりません。
時や状況に合わせて、ウィンドーの本はひんぱんに変えることです。
整頓、清潔、品位は、そこで働く人々が特に気をつけたいことです。
こうしたことは、そこで扱われているのが神のことばであるという事実、使徒職のもつ尊厳、そこに来る人々への尊敬と愛のために必要なことです。
「いつもいっそうよくなっている、それなら、結構」ということができるように、進歩してください。
書院は、いつも刷新されていく必要があります。
新しい聖堂をつくるときに、いつでも、いっそうよく祈れるようにつくります。
同様に、書院も、いっそう宣教に適したように工夫することです。
きれいな書院、普通の店よりも劣っていることがないように。
向上すること!
聖パウロの書院は、聖パウロ会がイタリアで拡がっていった時と同じくして、サレルノ、バリ、パレルモ、カイヤリ、ブレッシャ、ウディネ、レッジョ・エミリア、ベローナ、ジェノバ、アンコーナ、ボローニャ、ナポリ……などに開設されていきました。
書院の中に小さな聖堂があり、書院を訪れる人々が聖体に現存される師イエス・キリストに祈れるように準備されている書院も、数多くあります。
書院は、世界各国で人々に光を放ち続けています。
◆2--13 使徒職の発展
- 1) 新たな宣教方法:家庭訪問による宣教
- → 一人ひとりにあった方法で宣教
- → パウロの娘たちの幸い八か条
- 2) 家庭訪問による宣教は、新しいライフスタイルを……
- 3) 普及センターとしての「書院」
- 4) 映画による宣教:パウロの娘は?