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新世紀ルーツへの巡礼

目次

6--2 第ニ次世界大戦終了後の歩み

1) 60代のアルベリオーネ神父

創立者

アルベリオーネ神父は、戦後の人々の必要、コミュニケーション・メディアの発達による思想のプロパガンダなどをみながら、この時代の“時のしるし”を識別し、全世界に向けてのパウロ家族の使徒職を発展、充実させることが急務であると感じていました。

そのため、ジャッカルド神父が彼の傍らにいることを望み、アルベリオーネ神父は、自らアルバへ行って、彼がローマに滞在し、パウロ家族のためにバチカンとの橋渡しとなるように任命しました。

アルベリオーネ神父とジャッカルド神父との関わりは、あのパウロとテモテとの関係にたとえることができます。ジャッカルド神父は、アルベリオーネ神父の考えと望みを察知し、黙々と専念し、忍耐強く実現していました。
 アルベリオーネ神父は、ジャッカルド神父を信頼し、パウロ会の重要な決定のためにはジャッカルド神父を必要とし、彼と協働していました。

戦後の困難な時期、様々なことがあったにもかかわらず、アルベリオーネ神父は、新しい地への派遣、あるいはすでに創設されている共同体の強化のためにと、宣教師の海外派遣を積極的にすすめていました。それは使徒パウロの宣教活動をしのばせるものと言えます。

第二次大戦が終わった時、アルベリオーネ神父は61歳になっていました。彼はどんなに苦しい情況の中でも、託された使命への道を切り開いて行く力に満ち溢れていました。

そのような活力に満ちた彼と出会う人たちは、神から召されているもののもっている魅力と説得力とを感じていたのです。こうしてアルベリオーネ神父は、しばしば必要な資金の援助を得たのです。

アルバにあるフェッレーロ(チョコレートなどを作っている会社)の社長は、莫大な資金をアルベリオーネ神父に与えたとはいえ、その資金は後で返してもらう予定でした。
 フェッレーロ氏(フェッレーロの社長)は、自らの会社の事業を拡大するため、アルベリオーネ神父に貸していた資金が必要でした。その督促を受けたアルベリオーネ神父は、アルバへ行き、彼の所へ話しに行きました。フェッレーロ氏の家は、聖パウロ会の近くにあります。

彼は、アルベリオーネ神父に強い魅力を感じ、借金の返済の延期を認めたのでした。フェッレーロ氏は、友人たちに、「私がアルベリオーネ神父のような旅の道連れをえたなら、ヨーロッパを制することができるかもしれない」と言っていました。

フェッレーロ氏ばかりでなく、多くの人々が彼に魅力を感じていたのでした。アルベリオーネ神父が語ることは、時には常識をはずれていると感じさせたり、無理難題を要求しているようにも思われるのですが、「そのように思わせることでも、あなたを動かし、実現に向けて協力、実行させたものは何ですか」との問いに、一同はフェッレーロ氏と同じく、「アルベリオーネ神父の底知れぬ魅力と、神の御心であると感じさせる彼の力強い言葉は、たとえどんなに困難であっても、彼に賭けようと思わせるものがあったのです」と答えています。

パウロ会員の多くもアルベリオーネ神父の魅力に引かれて、自分がそれまでしてきた慣れた仕事を手放し、彼が指し示すことや今まで考えたこともなかった他の仕事に挑戦していったのです。そこには、常にアルベリオーネ神父が教えた「契約」の精神がありました。

◆6--2 第ニ次世界大戦終了後の歩み


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