Laudate

今日の福音は、12使徒の宣教派遣について述べられ、第1朗読では、預言者アモスの派遣、第2朗読では、今日から21の主日まで、パウロが宣教旅行で関わったエフェソ教会の信徒たちに送った手紙が読まれます。

神学面でも、実践的勧告の面でも重厚なこのパウロの手紙は、多くの人びとから読まれてきました。教会刷新、典礼刷新のもとともなっています。

また、この手紙はイエス・キリストの救いの秘義、その中に含まれている豊かな富について述べ、宇宙的な広がりをもつキリスト、その体である教会についてなど、手紙全体が荘厳な賛美歌となっています。

パウロ家族の創立者アルベリオーネ神父は、自分のいただいたカリスマ、たまものを語る時に、表題としてエフェソの手紙を引用し、「限りなく豊かな恵み」とつけました。

教会の典礼と共に、この手紙を読まれることをお勧めします。

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第1朗読で今日読まれるのは、12小預言書の一つアモス預言書からです。アモスは、正義の預言者ですが、彼の召命について語られている箇所が読まれます。

ソロモンの死後、イスラエルは南（ユダ）北（イスラエル）に分裂しました。ユダ王国は山と砂漠に囲まれていたため、素朴な牧畜による生活をしていたのに対し、イスラエルは、エジプトとシリア・メソポタミアを結ぶ幹線に開かれていたので、外国との接触は免れ得ず、結果として外国の異教の風習が商人たちと共に入ってきました。

都市経済の発達と共に、富者は都市に居住し、農民を負債奴隷化していきました。アモスは、紀元前8世紀にこのような北イスラエルで活躍しました。
　アモスは、イスラエルに対する神の審判を叫んだ最初の人でした。

しかし預言者アモスの、不正を糾弾しイスラエルの滅亡を予告した預言は、人びとからは顧みられませんでした。

神の言葉そのものを語る預言者、イスラエルそのものが滅亡しても失われることのない神の言葉を理解するためには、聞き手の側に開かれた心が求められるのです。あなたの心は、神に向かって開かれていますか。

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第2朗読では、今日は「エフェソの教会の信徒への手紙」のあいさつに続く最初の部分が読まれます。この手紙は、パウロが獄中で書いたものです。
　牢獄にあって、思索の中に過ごしたのでしょうか。この手紙は、他のパウロの手紙の思想をはるかに凌駕していると言われています。

コロサイの信徒への手紙の中心思想は、キリストの十全性ですが、エフェソの教会の信徒への手紙はこの思想の展開です。

最初の3章は叙情的な長い祈りの言葉です。
　「わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように」と、賛美の言葉ではじまる今日の朗読です。

パウロは、神を賛美する理由として、神の選びの事実、神の選びの深さ、神の選びの目的、神のご計画、神のたまもの、歴史の終点……と次々と進んでいきます。

天地創造以前にさかのぼる神の愛の予定と、イエス・キリストによる救いの神秘の啓示と、その中に含まれている無尽蔵の富についての盛大な賛美です。
　一句一句味わいながら、読み、とどまり、パウロと共に祈ることをお勧めします。

時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、
あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。
天にあるものも地にあるものも
キリストのもとに一つにまとめられるのです。

この、すべてのものが「キリストにあって一つにまとめられる」ことこそ、この手紙の「キー」と言えます。どのようにしてパウロがこの概念にいたったかを知るには、時代のコンテキストを知ること、そして、コロサイの信徒の手紙も一緒に読んでみるといいでしょう。

エフェソでのパウロについては、使徒言行録を読んでみるといいでしょう。

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今日の福音は、マルコによる福音の12使徒宣教派遣の記事です。今日の箇所から、ペトロの信仰宣言まで、これから数週間にわたり読んでいくのですが、多くの聖書学者は、それらを一つのブロックとみて、「パンの段落」と呼んでいます。今日読まれるのは、その段落の朗読を導く冒頭の箇所です。

マルコは12使徒の選びとその名前についてすでに3章で語っていますが、今日の箇所はその使徒たちが使命に必要な権能を与えられて実際に派遣され、実行に移されたことが記述されています。

十二人は出かけて行って、
悔い改めさせるために宣教した。
多くの悪霊を追い出し、
油を塗って多くの病人をいやした。

とあるように、彼らの宣教によって、イエスの姿を現していきます。
　あなたはどうですか。

イエスは、宣教者である12使徒たちに、
旅には杖一本のほか何も持たず、
パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、
ただ履物は履くように、
そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。

この姿は、当時の巡礼者の姿と似ていると言われます。イエスは、12使徒にみ言葉と悪霊を追い出すために「必要な権能」だけで出発するようにと言われます。

この宣教者の姿勢、キリストの真の姿はどのように反映されているでしょうか。
　共観福音書で他の福音史家と比較して読んでみると、マルコの特徴が浮かび上がってくるでしょう。

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