教会カレンダー
四旬節第1主日
誘惑の山
四旬節の第1主日に、教会は四旬節の原型であるキリストの荒れ野での40日間の体験(ルカ 4.1-13)を思い起こします。荒れ野で、キリストは悪魔の誘惑を受けます。このキリストの体験は、キリストの生涯全体でどのような意味をもっているのでしょうか。
旧約聖書の中に出てくる「40」という数字を、見てみましょう。
- イスラエルの民が荒れ野に滞在した40年(民数記 参照)
- ノアの洪水の雨(創世記 7.4参照)
- モーゼがシナイの山にこもって断食をしたこと(出エジプト記 24.18、34.28参照)
- エリヤが神の山ホレブに着くまで歩き続けたこと(Ⅰ列王記 19.8参照)
イスラエルの民が荒れ野に滞在した40年と言えば、一世代にわたるほどの長い試練と苦難のときです。そこで、「40」という数に試みや苦しみに耐えるという意味が与えられています。
しかし、これらの出来事はすべて、キリストが40日間、飢えと誘惑の体験をされたことの前表であるとキリスト者たちは理解してきました。
キリストの40日の体験は、キリストの宣教の使命のときにつながっていきます。「時が満ちた」のです。
ですから、今も教会は四旬節のはじまりのとき、洗礼志願者とともに、もう一度自分の使命の原点にもどり、確認のときをもとうとします。荒れ野こそ確認の場であり、試みなしに確認は本物とはならないのです。
祈り
神よ、年ごとに行われる四旬節の典礼を通して、
わたしたちにキリストの死と復活の神秘を深く悟らせてください。
(集会祈願から)