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新世紀ルーツへの巡礼

目次

豊かな恵みの富

1) アルバ修道院設立へ

アルバの町
アルバの町

増築工事に必要な許可を待つ間、アルベリオーネ神父は解決しなければならない数多くの問題を抱えていました。

一番心にかかっていたのは、司教の信頼を回復することでした。それは、叙階を間近にひかえた神学生たちが、神学校から印刷学校に移転したことから生じたすき間でした。アルベリオーネ神父は、司教を深く尊敬していました。しかしそれだけでなく、彼の修道会が法的認可を得るためには、どうしても司教の支持が必要です。この認可を、彼は渇望していたのでした。

彼の偉大な友人であり称賛者であるマッフィ枢機卿は、「印刷する修道会、ずっと私はそれを夢見てきました。」と、アルベリオーネ神父に書き、こう続けています。 「あなたがこの使命を受けたことを知ったとき、私は主を賛美しました。今まで、寄付や援助があり、働きを続けることができたこと自体が、天の祝福のはっきりしたしるしではなかったでしょうか」と。

「印刷する修道会」と、枢機卿は言われたのです。

出版による福音宣教には、自分の時間の一部だけをさいて提供する人たちも必要ですが、全生涯をこれに賭ける人たちが必要です。

今アルベリオーネ神父に必要なのは、生まれたばかりの聖パウロ修道会の仮承認、つまりレ司教によって司教直轄修道会と認められることでした。

そして、これにはローマに前もって送った手続き全部の検討の上で、修道会省(現在では修道・在俗会省)が賛同しなければなりません。

アルベリオーネ神父は、司教に知っていただく場を提供することが大事であると思い、新しい建物の祝別式を司教に依頼し、司教も喜んでこの招待に応じたのでした。

最初の会員ボッラーノ神父は、母院を開設の時の、アルベリオーネ神父の感動について語っています。

1921年誓願者
   1921年誓願者の記念写真

1921年誓願者の記念ご絵
1921年誓願者の記念ご絵の言葉

アルベリオーネ神父は、全会員が準備の黙想をして、この儀式に臨むことを希望しました。そして、1921年10月5日に、フランシスコ・レ司教は、自ら新しい家の一つひとつの部屋を祝別したばかりでなく、創立者をも含めた13人のパオリーニ(パウロの者という意味で、パウロ会会員をこう呼ぶ)の終生誓願と、他の15人の有期誓願式を司式したのでした。

こうして、すでに誓願を宣立していた5人に、8人の神学生がアルバ神学校から加わり、アルベリオーネ神父とともに聖パウロ修道会が誕生しました。これが正式名になり、印刷学校とはっきり区別されることになります。

といっても、まだ修道会は正式に司教に認可されていなかったのですから、誓願は当然私的なものでした。しかし、アルベリオーネ神父は、あえて次の言葉を記念のご絵の立誓者の名の下に記しています。

「聖パウロ修道会創立および修道誓願」と。このことで、彼が、できるだけ早く認可を得たい意図を持っていたことがわかります。

◆2--7 豊かな恵みの富


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