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新世紀ルーツへの巡礼
使徒の女王大聖堂
2) 使徒の女王大聖堂の建築
「使徒の女王大聖堂」最終完成予想図
いよいよ聖母マリアにささげられた「使徒の女王大聖堂」が、パウロ家族みなの援助により建てられることになりました。
この聖堂は今、ローマ市アレッサンドロ・セヴェロ通にある聖パウロ修道会と、アントニーノ・ピオ通にある聖パウロ女子修道会の間に、いくつもの建物に囲まれて建っています。 それは、使徒の女王であるマリアがパウロ家族の中心にとどまられように配慮されたからです。
この大聖堂の大理石の床には、次の言葉が書かれています。
「マリア年の終わりにあたり、恐ろしい戦争の災害をまぬがれた子らが、その誓いを果たし、これを聖母にささげる。1945年12月8日」
実は、アルベリオーネ神父はこの聖堂建築について、すでに何年も前から考えていたのでした。ジュゼッペ・バルベーロ神父は言います。
「遅れていた聖堂建築計画が、戦争そのもがもとでもっとはっきりとした形を取り、さらに熱心な約束となったのです。いっそう断固とした意志の目標、つまり、アルベリオーネ神父が、世界中に散在して活動しているパウロ家族の全会員の名で願を立てることなにったからです」と。
この聖堂建築という大事業に、パウロの娘たちは、長期間、勤勉に、貴重な貢献を続けます。それは、みなシスターテクラの勧めと励ましがあったからでした。
彼女は、戦争のあらゆる状況と結果、弾丸と爆弾、飢えと絶望などから、犠牲者が出ないようにと、いつも祈りと犠牲をささげていました。
1日も早くこの聖堂が完成するため、シスターテクラはみんなを励まし、勧めを与えています。
何もむだにしないように気をつけましょう。
それは、聖堂の建築にもっとたくさん協力するために必要です。
これは神様の聖堂です。わたしたちの聖母のお名まえをつける聖堂です。
この聖堂にそろえるために何でも一番美しいものがほしいです。
一番美しい祭服、一番美しい祭壇かけを作りましょう。
レースもよくできたのを使いましょう。
他のことで節約し、祭壇のまわりは全部すばらしいものにしましょう。
使徒の女王大聖堂は、聖母に向かうパウロ家族の信心の中心、使徒職と召命促進の中心となるものです。
この聖堂の天井に描かれている聖母のフレスコ画は「人類の母マリア」と名づけられました。
アルベリオーネ神父は、この聖堂を巡礼の場とし、修道者、修道女になる人のため、聖母の取り次ぎを願っています。アルベリオーネ神父は、1947年にこう書いています。
「この母(マリア)にささげる一つの聖堂を建築するのは……義務です。それは井戸を掘ることです。その井戸からすべての人のために、全てのために水が出てくるのです。それは必要なもの、だれもが身にしみて必要と感じるものです。この聖堂で美しい祈り、典礼祭儀、聖なる秘跡、神と女王マリアへの賛美が行われるでしょう」と。
基礎工事
ティモテオ・ジャッカルド神父は、こう言っています。「この聖堂は母の家であり、……さらにこの家から各人の上に、各人の家に、各々の町に聖母の実り豊かな祝福が降るでしょう。私たち一人ひとりが、この聖堂をつくる、生きた、永遠の一個の石になりたいものです」と。
1945年11月30日の聖堂落成式において、アルベリオーネ神父は聖堂の目的をこう説明しています。
堂の入り口に"Suscipe nos(わたしたちを受け入れたまえ)……"という言葉が刻まれています。
ああ、私たちの母、教師、女王なる御母よ、私たちを受け入れてください。刈り入れに働き手を送ってくださるように、あなたの御子に願ってください。
すべての使徒職に必要な召命、すべての修道院に必要な召命、すべての神学校に必要な召命、すべての国に必要な召命を願ってください。とくに最も緊急の、最も現代に合った、最も効果のある使徒職に必要な召命を願ってください。
私たちは、あなたに、このつつましい聖堂を、私たちの女王の玉座として、おささげいたします。
このレンガの一つ一つは、あなたの子ら、および協力者たちの犠牲を表すものです。かれらの名前は、哀願として、また信仰のあかしとして名簿に記され、あなたの足もとに置かれています。
おお、マリア、みんなを心にとめておいてください。最も大切なのは、天にかれらの名前が書きとめられることです……。
アルベリオーネ神父は、使徒の女王マリアにささげた聖堂の周辺に、自分が創立した修道会のそれぞれのおもだった修道院を一つに集めました。それは自分の全事業の保護者であるマリアに子としての尊敬を示したかったからでした。
マリアにささげられている称号はどれも、その御子キリストの神秘のなかに場を占めるマリアを深めるための一つの入り口なのです。アルベリオーネ神父は、使徒の女王のうちに、キリスト全体を世にもたらす方、「使徒活動」の最高のモデルであるマリアを見ていたのです。
彼はこう言っています。
いまこそ、使徒の女王とはどんな意味かわかるようになりました。
人間イエスを世にもたらした方、教会という神秘的なキリストを形づくり、はぐくむ方。
マリアはまことの使徒です。イエス・キリストとともに、イエス・キリストを基として。
他の使徒たちはみな、イエスとマリアの使徒活動に参与するものです。つまり、イエスは、創造の計画においてと同様に、ここでも大いなる設計者なのです。
マリアが偉大なものとされ、女のなかから選ばれて高められたのは、使徒のなかの使徒とされるためでした。
私たちもイエス・キリストの三重のご計画、すなわち、真理と愛と恵みの使徒となるというご計画を実現しましょう。
次回は、現在の使徒の女王大聖堂をイメージでたどってご紹介しましょう。
◆5--4 使徒の女王大聖堂
- 1) アルベリオーネ神父とマリア
- 2) 使徒の女王大聖堂の建築
- 3) 使徒の女王大聖堂を訪ねて
- 4) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:ソットクリプタ
- 5) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:クリプタ
- 6) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:大聖堂の中 1
- 7) イメージでたどる使徒の女王大聖堂:大聖堂の中 2
- 8) イメージでたどる使徒の女王大聖堂: 大聖堂の中 3
- 9) イメージでたどる使徒の女王大聖堂: 大聖堂の中 4